インフルエンザの治療薬について

インフルエンザの治療薬について

インフルエンザ治療薬として、日本で承認されているものの一部をご紹介いたします。※2015年12月時点

シンメトレル(アマンタジン)

剤型・投与量

・散剤

効能

A型インフルエンザウイルスのヒト細胞内への侵入過程を阻害し、ウイルスの増殖を防ぎます。

備考
・耐性ウイルスあり。
・現在はほぼ使用されていない。

タミフル(オセルタミビル)

剤型・投与量

・カプセル
・ドライシロップ

効能

発症後48時間以内に投与することで、出芽したウイルス粒子を感染細胞から放出を阻止。主にA・B型の場合に使用。

備考
・耐性ウイルスあり。
・ノイラミニダーゼ阻害薬。
・C型には効果が無い。
・B型も効きにくい傾向。

リレンザ(ザナミビル)

剤型・投与量

・吸入薬
・1日2回
・5日間吸入

効能

発症後48時間以内に投与すことでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用を持つ。主にA・B型の場合に使用。

備考
・C型には効果が無い。
・ノイラミニダーゼ阻害薬。
・薬物を吸入法により使用するため、薬物が迅速に上気道に到達する。そのため、経口投与する薬剤よりも即効性がある。
・タミフルに比べて耐性が起きにくい。
・2013年2月日本で投与された患者3人がアレルギー性ショックを発生、うち1人が死亡。

イナビル(ラニナミビル)

剤型・投与量

・吸入粉末剤
・小児20mg
・成人40mg
・吸入1回分で終了

効能

インフルエンザウイルスの増殖に欠かせないノイラミニダーゼ(酵素)の働きを阻害し、増殖を抑制。主にA・B型の場合に使用。

備考
・C型には効果が無い。
・ノイラミニダーゼ阻害薬。
・日本が開発。

ラピアクタ(ペラミビル)

剤型・投与量

・点滴薬
・約15分の点滴
・注射薬
・1回でタミフル5日間分と同等

効能

発症後48時間以内に投与すことでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用を持つ。主にA・B型の場合に使用。

備考
・C型には効果が無い。
・ノイラミニダーゼ阻害薬。
・注射薬である点が特徴で、薬を飲めない重症者や感染から時間が経過した患者に効果が期待されている。

注意事項

アマンタジンは施設内で耐性ウイルスが広がった事例もあるので期待できない場合があります。

成人向けには投与量や剤型は異なるがタミフル(カプセル、ドライシロップ)、リレンザ(吸入薬)、シンメトレル(散剤)があり、2010年以降ではイナビル(吸入粉末剤20mg)、ラピアクタ(点滴薬)が承認されています。

使用頻度が高まるにつれて耐性ウイルスの出現が報告されているので、ほとんどの抗生物質耐性の結核菌のような事態がインフルエンザウイルスにも起きることが懸念されています。

タミフルは出芽したウイルス粒子を感染細胞から放出させる役割を持ったノイラミニダーゼの働きを阻害します。

タミフルについては日本が世界最大の使用量を誇示していまが、すでに国内で薬剤耐性ウイルスの存在も報告され、頻繁に使用すると薬剤耐性ウイルスが蔓延し、お手上げ状態になりかねません。

幸いにも耐性ウイルスは増殖速度が遅いようです。

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