カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter Jejuni)
カンピロバクター・コリ(Campylobacter Coli)
カンピロバクター(Campylobacter)


肉の生食や加熱不十分、動物(鳥類など)の糞による汚染により、食肉(特に鶏肉)、飲料水、サラダなどのような食品が原因や汚染源となりやすい食中毒の原因細菌です。

病原体について

カンピロバクターは、グラム陰性でらせん状に湾曲した形態を示す細菌の一属の総称です。

一般的には1982年に食中毒菌として指定されたカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter Jejuni)とカンピロバクター・コリ(Campylobacter Coli)を指すなどカンピロバクター症の原因菌として呼ばれることが多い。

特徴

古くは牛や羊の流産の病原菌として知られ、人との関わりについては、血液から本菌がまれに検出されてはいましたが、ほとんど注目されていませんでした。

その後、1973年にベルギーで下痢患者の糞便から初めて本菌を分離し、本菌の腸炎起病性を示唆し、1977年にイギリスで下痢患者から本菌を分離し、その重要性を指摘しました。

また、1978年には、アメリカにおいて水系感染により住民約2,000名が本菌に感染した例により世界的に知られるようになりました。

一方、日本では1979年に保育園での集団下痢症状例から初めて本菌を検出し、これ以後、日本でも本菌は食中毒菌として位置づけられるようになりました。

カンピロパクター属は現在15菌種に分類されており、家畜、家禽、ペット、野生動物、野鳥等あらゆる動物に分布しています。牛の場合は数~40%、またトリの保菌率は高く50~80%で、そのほとんどがカンピロバクター・ジェジュニです。ブ夕においては、カンピロバクター・ジェジュニよりカンピロバクター・コリが高い確率で検出されます。

家畜や家禽が高い確率でこの菌を保菌しているため、とちく場、食肉処理場、食肉販売業での処理過程でも相互汚染により、市販生肉に汚染が見られます。

カンピロパクターによる食中毒は1989~1996年において年間20~40件発生しています。この食中毒は、飲用水の細菌汚染が原因となった場合、大規模な事件となることが多いといわれています。

この菌は、らせん状をしたグラム陰性の細菌で、好気的には発育しないし、嫌気的にもほとんど発育せず、酸素が3~15%程度含まれる微好気的条件で良く発育し、酸素に暴露されると急速に死滅します。

なお、本菌の食中毒発症に必要な菌数は100個前後です。

原因となる食品

肉の生食や加熱不十分、動物(鳥類など)の糞による汚染により、食肉(特に鶏肉)、飲料水、サラダなどのような食品が原因や汚染源となりやすい。

潜伏期間と主な症状

潜伏期間は2~7日(平均2~3日)で潜伏期間が長いのが特徴です。

腹痛、下痢、発熱が主症状で通常、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があり、次いで吐き気、腹痛が見られます。前駆症状の後、数時間から2日後に下痢症状が現れ、下痢は1日10回以上に及び、1~3日続く。

腹痛は下痢よりも長期間継続し、発熱は38℃以下が普通です。

注意すること

  1. 熱や乾燥に弱いので、調理器具は使用後に良く洗浄し、熱湯消毒・乾燥すること。
  2. 加熱不十分な食肉やその臓器あるいは食肉等の生食を避けること。
  3. 食肉からサラダ等への二次汚染を防ぐため、以下の点に気をつけること。
    ・生肉を取り扱う調理台と完成した料理を置く調理台を離して設置すること。
    ・生肉を取り扱った後は、十分に手指を洗浄すること。
    ・盛りつけ作業には、使い捨て手袋を使用すること。
    ・相互汚染を防止するため生肉は専用の蓋付きの容器に入れるかラップを掛けること。
  4. 未殺菌の飲料水、野生動物の糞等で汚染された貯水槽水・井戸水・沢水を飲まない。必ず塩素消毒や煮沸消毒をすること。
  5. 未殺菌の牛乳を飲まないこと。
  6. 小児ではイヌやネコなどペットからの感染に注意すること。
  7. ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、野鳥などの糞が入らないよう衛生管理に注意すること。
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