アレルギー物質の表示と食品表示法について
食品表示法について
食品に関する法律は、食品衛生法・JAS法・健康増進法の3つでルールが定められています。
その中でも、アレルギー表示に関する法律は「食品衛生法」によって定められていました。
しかし、食品の表示全般に関わる制度が複雑で消費者や事業者にとってわかりにくい点もありました。
そこで、3つの法律の「食品の表示に関する規定」の部分を統合して「食品表示法」が制定され、平成27年4月1日に施行されました。
食品表示法は、アレルギー表示以外にも、消費者が食品を選択・購入する際に必要な情報を、よりわかりやすく確認できる表示制度となっています。
アレルギー物質の表示の必要性
近年、乳幼児から成人まで、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増えており、中には死に至るほど重篤な症状の方もいらっしゃいます。
そのため、食品中のアレルギー物質に関する正確な情報の提供が必要となりました。
この表示目的は、消費者にとっては、加工食品を選択する際に必要な情報を分かり易く得られるようになり、表示を見る事で食べても大丈夫な加工食品を選べるということにあります。
表示するアレルギー物質について
現在、2つの分類があり、表示の義務がある7品目、表示を推奨されている20品目があります。
特に必ず表示されるものを「特定原材料」といい、表示が推奨されている20品目は「特定原材料に準ずるもの」といい、「可能な限り表示をするよう努めること」とされています。
義務 | 推奨 | |
特定原材料 7品目 |
特定原材料に準ずるもの 20品目 |
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えび かに 小麦 そば 卵 乳 落花生 |
あわび いか いくら オレンジ カシューナッツ キウイフルーツ 牛肉 くるみ ごま さけ |
さば ゼラチン 大豆 鶏肉 バナナ 豚肉 まつたけ もも やまいも りんご |
表示義務の範囲
表示義務である特定原材料7品目が含まれていても、表示されない場合があります。
表示される加工食品
・あらかじめ箱や袋で包装されている加工食品
・缶や瓶詰めの加工食品
表示されない加工食品
・店頭で計り売りされる惣菜・パンなどその場で包装されるもの
・注文して作るお弁当
可能性表示の禁止について
可能性表示は禁止されております。
表示義務とは逆に、表記が禁じられている場合としては、確実な証拠がないのに、「卵が入っているかもしれません。」「卵が入っている場合があります。」のような「可能性表示」は禁止されています。
これは、このような実際に含まれていないのに含まれているかどうかわからない表記を許すと、患者の方が食べることができるものをいたずらに狭めることとなるからです。
あくまで配慮が目的です。
表記名の幅について
表記にあたり、代替表記と一部の拡大表記が認められています。
例えば義務品目である卵についても、製品の表記欄の書き方には別の書き方も認められています。
これが「代替表記」と呼ばれるもので、義務品目の「卵」であれば、 「玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら卵」が認められています。
つまり、これらの表記があるものは、卵アレルギーの方は食べないよう注意する必要があることとなります。
代替表記
表示されるアレルギー物質は、別の書き方も認められています。
拡大表記
特定原材料名または代替表記を含んでいるため、これらを用いた食品であると理解できる表記です。
特定加工食品表示の廃止について
特定加工食品とは、表記として特定原材料名または代替表記を含んでいないが、一般的に特定原材料を含むことが予測できると考えられている食品をいいます。
平成27年4月に施行された「食品表示法」により、この特定加工食品およびその拡大表記は廃止となりました。
例としては、「マヨネーズ」や「うどん」です。
新制度では、これらの食品についてもアレルギー表示がされるようになりました。
新制度では、マヨネーズ(卵を含む)、うどん(小麦を含む)と表記します。