2022/07/24【サル痘ウイルス】感染経路は?ワクチンは? サル痘、国内でどんな対応取れるか

感染拡大が続き、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を出したサル痘。まだ感染者が確認されていない国内でどんな対応が取れるかなどをまとめた。

Q 流行はどこで拡大していますか?

A サル痘ウイルスで起こる感染症で、顔や体の発疹、発熱、頭痛などの症状が出ます。1958年に研究用のサルで初めて報告され、この名前が付けられました。リスやネズミなどからもこのウイルスが見つかっています。70年にはアフリカで人の感染が報告され、その後もアフリカで流行してきました。
今回の流行は欧米などで拡大しており、WHOによると、今年初めからの感染者は世界約70カ国で1万4000人を超えています。アフリカでは5人が死亡しています。アジアでは台湾や韓国などで患者報告がありますが、日本国内ではまだ確認されていません。

Q 感染経路は?

A 唾液や体液のほか、病変部にウイルスが多くあり、体液などに触れることで感染するリスクがあります。今回の流行では、MSM(男性と性行為をする男性)の間で多くの患者が確認されており、性行為が感染経路の一つとみられます。

Q 国内でどんな対策が取れますか?

A 対策を取る上で根拠となる感染症法では、ウイルスや細菌は、感染力やかかった場合に重症化しやすいかどうかなどの観点から1~5類に分類されています。サル痘は狂犬病やデング熱などと同じ4類。汚染された場所の消毒や、ネズミ、昆虫の駆除ができます。また診断した医師はすべての患者報告を保健所に届け出ることが義務づけられています。ただ2類相当の新型コロナのように、感染者に入院を勧告するなどの措置は取れません。

Q ワクチンは?

A 国立感染症研究所などによると、天然痘ワクチンにはサル痘の発症予防効果があります。日本では76年以降、天然痘のワクチンは接種されておらず、これ以降に生まれた人には免疫がないと考えられます。厚生労働省は患者と接する可能性のある医療従事者らに接種できるかどうか検討しています。国内ではKMバイオロジクス(熊本市)が天然痘ワクチンを生産しています。
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