2021/11/26【新型コロナウイルス:COVID-19】南ア変異株、香港でも確認…デルタ以上の感染力「ワクチン効きにくいかも」

南アフリカの国立伝染病研究所などは25日、新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたと発表した。変異を繰り返し、感染力が従来の変異株より強くなった可能性があるという。英国が南アと周辺国からの直行便乗り入れを禁止するなど、各国に入国制限強化の動きが広がっている。
同研究所の発表などによると、新たな変異株は南アと隣国ボツワナ、香港で検出された。南アの1日当たりの新規感染者数は今月中旬から増加傾向にあり、25日は2465人を記録。新たな変異株が要因の可能性も指摘されている。
英政府は新型変異株が南ア周辺に広がった可能性があるとして、南アとナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの6か国からの直行便乗り入れを26日正午から28日朝まで禁止することを決めた。それ以降は運航を認めるが、入国者は10日間隔離する。
サジド・ジャビド英保健相は記者団に、新型変異株はインド由来の変異ウイルス「デルタ株」よりも感染力が強く、「現在のワクチンがより効きにくいかもしれない」と述べた。英国の保健衛生当局は地元メディアに、新型変異株は中国・武漢で確認された従来型のウイルスとは「根本的に異なる」と語った。
イスラエルは25日、南アなどアフリカ南部7か国からの外国人の新規入国禁止を発表した。イスラエルでも1人、新型変異株への感染が確認された。イタリアやチェコ、シンガポールも南アなどからの入国規制を決定。欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会も、南アなどからの直行便乗り入れ禁止を加盟国に呼びかけた。
香港では、新たな変異株の感染が2人確認された。南アから入国したインド籍の男性が隔離用のホテルに滞在中に陽性と判明。その5日後、向かい側の部屋で隔離を受けていた中国籍の男性の感染が確認された。
新たな変異株への対応について、水谷哲也・東京農工大教授(ウイルス学)は「検疫での水際対策を確実に行うとともに、国内の監視態勢を強化して速やかに変異株を発見できるようにすることが重要だ」と強調した。
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