2020/06/03【新型コロナウイルス:COVID-19】介護施設、悩みつつ面会を再開 感染予防か家族配慮か /長野県

県外で新型コロナウイルスの集団感染が相次ぎ、外部との接触に神経をとがらせる高齢者施設。家族の面会を制限してきた県内の施設でも、感染拡大の落ち着きや家族らの心情を考慮し、感染防止対策に工夫を凝らしつつ再開を模索する動きが出てきた。
「お母さん泣かないで。元気で良かった」。東御市の特別養護老人ホーム「ケアポートみまき」は1日、入居者と家族との面会制限を3カ月ぶりに解き、早速、訪れた家族が再会を喜んだ。
同施設は5月26日の緊急事態宣言の全面解除を受け、再開の検討を始めた。認知症の入居者も多く、「自分たちの顔を忘れてしまわないか」と、差入れを届けに来る家族も心配していた。入居する66人の平均年齢は90歳。県内で新規感染者が半月以上確認されていない状況を踏まえ、会議を重ねて決めた。
正面玄関に入ってすぐについたてで囲った一角を設け、飛沫(ひまつ)感染防止の透明ビニールカーテン越しに対面できるようにした。事前連絡の上、短時間、少人数が条件。体調管理と、県外と往来した場合は2週間は面会を避けることも求めている。
「感染予防の安心を取るか、会いたいという気持ちを満たすか。どちらに決めても賛否はある」と施設長の荒井昭成さん(50)。母親(88)に会いに来た女性(54)は「元気だと聞いてはいたけれど顔を見て安心した。でも、自分から感染を広げてしまう可能性を考えると頻繁には来ない方がいいのかな」と話した。
松本市の介護老人保健施設・介護療養型老人保健施設「びおら」も2月下旬から原則禁止としてきた面会を、1日1回、原則家族1人でおおむね15分といった条件付きで5月18日から緩和した。
病院や特養では受け入れが難しい長期療養患者25人がいる。事務局長の塩川建一さん(69)によると、院内感染が起きても他に行き先がなく、感染対策を厳しくしてきたが、「面会できない患者と家族があまりにも気の毒」と考えた。来所時にチェックシートへの記入、提出も求め、「注意すべきことを家族にも理解していただきながら、できる範囲で続けたい」と話す。
脳梗塞の後遺症で全身にまひが残り、認知症状もある妻に会いに来た安曇野市の中西今朝光さん(80)は、手指を消毒した上でわずかな時間ながら妻の手や足をさすり、「口もきけないけれど、笑顔で迎えてくれた。できるだけ毎日来たい」と語った。
https://www.shinmai.co.jp/…/KT200602FTI090002000.php

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