新型コロナウイルスの影響で持ち帰りや宅配サービスに新たに乗り出す飲食店が増える中、今後、気温の上昇とともに食中毒に注意するよう自治体などが呼びかけています。
新型コロナウイルスの影響で飲食店に来店する人が大幅に減少する中、料理の持ち帰りやタクシーによる宅配サービスに新たに乗り出す飲食店も増加しています。
一方で気温が上昇し、湿度も高くなる時期を前に、道内の保健所や各地の自治体ではふだん以上に食中毒に注意するよう呼びかけています。
具体的には食中毒の原因となる菌を▼手洗いや調理器具を殺菌して食材に「つけない」、▼冷蔵・冷凍保存をすることで「増やさない」、▼十分な加熱で「やっつける」という3つの原則を守った上で、▼肉や魚などは中心の温度を75度で1分以上加熱することや、▼持ち帰りから2時間以内に食べきるように客に伝えるなどして食中毒を防止してほしいとしています。
道食品衛生課の城崎武人さんは「店内での飲食と異なり、食べるまでの時間が長いと食中毒のリスクも上昇し、注意が必要です。不明な点があれば近くの保健所に問い合わせてほしい」と話していました。
また、新たに弁当を販売したり宅配に対応する飲食店が注意すべきポイントをまとめて解説している「STOP食中毒キャンペーン」というウェブサイトも、東京の食材販売会社が先月から立ち上げています。
飲食店向けに食中毒の予防を呼びかけるチラシなども無償で配布していて、一部の自治体でも利用が広がっているということです。
キャンペーンの事務局では「テイクアウトにあたってはふだんとは異なる注意点もあるので、サイトを見て役立ててほしい」と話しています。
《STOP食中毒キャンペーン》
【食中毒対策強化する店も】
新たに宅配サービスに乗り出した飲食店の中には、これまで以上に食中毒への対策をとっているところもあります。
釧路市の飲食店「ぱらだいすかふぇ」ではタクシー会社と連携した宅配サービスを今月から始めました。
対応するメニューにはオムライスやロコモコなど卵を使ったものも多く、オムライスは店内で提供するものに比べて卵を固めに調理をしていて、ロコモコに使うハンバーグや目玉焼きもいつも以上に加熱をして提供しているということです。
また、持ち帰りの料理には引き渡しから1時間以内に食べてもらうように記したメッセージを同封するといった対応もとっています。
「ぱらだいすかふぇ」の古屋好隆代表は「持ち帰りやデリバリーが始まり非常に助かっていますが、食中毒が出てしまうと業界全体に迷惑がかかるので細心の注意を払いたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200512/7000021051.html