2020/04/11【新型コロナウイルス:COVID-19】神戸の指定医療機関で集団感染か /兵庫県

神戸市にある感染症指定医療機関の入院患者や看護師など13人が、新型コロナウイルスに新たに感染したことがわかりました。
病院側は院内で集団感染が起きたとみて、感染者の受け入れを重症の患者にとどめることにしています。
感染が確認されたのは、感染症指定医療機関の神戸市立医療センター中央市民病院です。
40代男性と70代女性の入院患者2人、20代から50代の看護師を含む職員10人、それに清掃スタッフの20代女性1人の、あわせて13人の感染が確認されました。
このうち入院患者2人については、すでに感染が確認されていた別の70代女性と、人工透析を行う施設などで接触した可能性があったということです。
一方看護師や清掃スタッフは、軽症の感染者の治療にあたる病棟で、防護服を着けて勤務していたということです。
神戸市は病院内で集団感染が起きたとみて、ほかの患者や職員などあわせて30人のウイルス検査を行うとともに、感染者が出た病棟を閉鎖し消毒を行うとします。
そして当分、新たな外来診療や入院患者の受け入れの休止を決め、感染の可能性のある職員およそ100人を自宅待機させて、健康観察を行っています。
また感染者の受け入れは重症の患者に限定し、一般の救急の受け入れもほかの医療機関と連携して最小限にとどめるということです。
木原康樹院長は、「国際的なガイドラインに則り、防護服の適切な着脱など院内感染の対策に万全を期していたが、防御できずたいへん申し訳ない」と陳謝しました。
その上で、「救急患者の受け入れなどほかの病院にも協力を仰ぎ、診療体制を見直して病院機能を再構築し、市民の生命と健康を守る最後の砦としての役割を早期に取り戻したい」と述べました。
【中央市民病院とは】
神戸市立医療センター中央市民病院は、兵庫県内の感染症指定医療機関の1つで、これまでに50人を超える感染者を受け入れています。
現在は重症の患者がおよそ10人、軽症や中等症の患者がおよそ30人入院しているということです。
緊急事態宣言を受けた兵庫県の対処方針で「重症等指定病院」に位置づけられているため、新型コロナウイルスの感染者の治療拠点として、今後も引き続き重症患者を受け入れる方針です。
ただ今回院内で集団感染が起きたと見られることから、病院では兵庫県災害医療センターや神戸大学医学部付属病院に協力を求め、新たな救急の受け入れを取りやめることにしています。
中央市民病院は厚生労働省から、全国の救命救急センターの中で最も診療体制が充実しているとして6年連続で評価されるなど、神戸市の「救急医療の最後の砦」として知られていて、今後地域医療に大きな影響が出ないか懸念されます。

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