2020/05/03【新型コロナウイルス:COVID-19】続く外出自粛 アルコール依存の相談急増 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、アルコール依存に関する相談が急増しているとして、支援団体が2日、オンラインを活用した緊急のセミナーを開きました。
アルコール依存症の人たちの立ち直りを支援している「ワンネスグループ」によりますと、先月、アルコール依存に関する相談がふだんの月の倍の58件に増え、「自宅待機ですることがなく、酒量が増えている」、「夫が酒を飲んで暴れている」といった相談が寄せられたということです。
団体では大型連休の期間中、アルコールへの依存が進むおそれがあるとして、依存症の人や家族に向けた緊急のセミナーをオンラインを活用して開きました。
この中で、依存症の人は酒への欲求や体の不調で、頭がいっぱいになり、支える家族も焦りや不安から内向きになって社会から孤立しがちなことを説明し、本人と家族双方が疲弊しないうちに周囲に相談することが重要だと呼びかけました。
団体の三宅隆之共同代表は「依存症の人が、問題を抱え込み、飲酒を再開させてしまったという相談も増えている。オンラインなどを通じ、少しでも支援に結びつけられる機会を提供していきたい」と話しています。
専門医「命に関わる危険な状況」
アルコール依存症の治療を専門に行う東京・板橋区の「東京アルコール医療総合センター」では、外出の自粛が始まったことし3月以降、症状が悪化したという患者や家族からの相談が相次ぎ、入院のための病床も満床の状態が続いているということです。
垣渕洋一センター長は、「依存症の人は、肝臓などに合併症を抱えている場合も多く、医療体制がひっ迫する中、必要な治療を受けられないことになれば命にも関わってくる非常に危険な状況だ」と指摘しています。
そして、「酒量が増えてしまったら、本人がまず『まずい』と自覚することが大切で、主治医がいる人は主治医に、もしくは、地域の精神保健福祉センターなどの窓口に相談してほしい」と呼びかけています。
一方、依存症の患者ではない、「飲酒好きの人」についても、外出自粛でストレスがたまり、制限無く飲酒をしてしまうと依存に陥るリスクが高いと指摘し、「ただ我慢をするのでは、よりストレスがたまるので、例えば語学の勉強や、仕事の資料の読み込みなどふだんできないことに時間を使って、自然と酒量が減るように生活することが大切だ」と話しています。
アルコール依存症の男性は
アルコール依存症で入退院を繰り返してきた奈良県の44歳の男性は、患者どうしの自助グループの集まりに定期的に参加することで、依存症の克服を目指してきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、患者どうしで集まることができなくなり、「今まで会えた人たちと会えず、孤独感を感じている」と話しました。
男性は、「今はまだ酒に手を出していませんが、外に出かけて、気持ちを発散できないので、どうしても酒のことを考えてしまいます」と相談できる環境がないことへの不安な心情を語りました。
「オンライン断酒会」で支え合い
新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛が続く中、アルコール依存症の人たちが、自宅にいながら「オンライン」で支え合う取り組みが始まっています。
依存症の克服を目指す人たちが、テレビ会議のアプリを使って開催したのは、今、流行の「オンライン飲み会」ならぬ、「オンライン断酒会」です。
秘密厳守が原則の会合ですが、今回、了承が得られた人たちの集まりを特別に取材することができました。参加したのは、いずれもアルコール依存に苦しんだ経験がある本人や家族、7人です。
ふだんは、同じ地域に住む人どうしが、1つの場所に集まってみずからの体験を率直に語り合うことで、つらい気持ちを共有したり、断酒への誓いを確認しあったりしていますが、この日はオンラインでの集まりのため全国各地から参加しました。
広島県の50代の女性は、「自分のことで母がとても苦しんでいたとのちに知り、依存症になって、いちばん不幸なのは自分ではなかったことがわかりました。皆さんと過去を振り返りながら未来に希望をつなげていき、1日1日、断酒を継続していきたい」と涙で声を詰まらせながら語りました。
また、京都府の60代の男性は、「依存に苦しんでいた当時は、自分自身もこれではいけないとわかりながら、夜中起きて酒を飲み、朝起きてすぐに飲み、体がボロボロでした。酒をやめることによって幸せを手にしたい。外出自粛のこの時期、酒に依存している人がいると思うとつらく、何か自分にできないかと考えています」と話しました。
参加した人たちは、最後に画面越しに「あすの断酒に向かって、もっと強く、もっと賢く、もっと真剣にやろう」と声を掛け合い、断酒の誓いを新たにしていました。
「オンライン断酒会」の開催を支援しているNPO「アスク」の今成知美代表は、「依存症からの回復は、医療を受ければ終わりではなく仲間とつながることで、回復が進んでいくので、そのつながりを守っていくことが大切です。相談機関への電話でも、オンラインでもよいので、とにかく誰かとつながってほしい」と話していました。

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