2019/12/24【カプノサイトファーガ・カニモルサス】犬に舐められて死んだ男! 血液が凝固、皮膚が腐敗し… インフルエンザと似た症状が出たらヤバい!

ドイツのブレーメンで、63歳の男性が飼い犬に舐められたことが原因で珍しい感染症にかかって死亡するという事件が起こった。

医学誌「European Journal of Case Reports in Internal Medicine」によると、男性は3日ほど前から、高熱や呼吸困難など、インフルエンザのような症状を発していたという。病院で診察を受け、そのまま入院することになったのだが、日に日に病状が悪化。顔面には発疹ができ、神経的な痛みを伴い、脚にはアザができるようになっていた。

さらに血液が凝固し、皮膚が腐敗を始め、ついには心臓停止状態に陥ってしまった。すぐに心臓蘇生処置が施され、男性は生命維持装置につながれたが、まだまだ予断を許さない状況が続いていた。

その後も、男性は急速に衰弱していった。真菌感染による肺炎を引き起こし、体全体に疱疹ができ、手指やつま先には壊疽が起こっていた。

体内のさまざまな器官が機能不全になり、医師団と男性の家族は生命維持装置を外すことを決断。男性は16日間の入院生活の末、亡くなった。

男性が感染したのはカプノサイトファーガ・カニモルサスという病原体で、動物にも人間にも感染するが、犬や猫が口腔内に普通に持っている菌でもある。通常は人間が動物にかまれることで感染するが、まれに舐められただけでも感染することがある。しかし、これは非常に珍しいケースなだけに、医師らは非常に驚いたという。

そもそもこの病原体に感染するケースは非常に少なく、オランダでの研究によると、感染する確率は150万人に1人の割合で、感染した場合の致死率は28〜31%だという。

しかも、通常は感染して深刻な病状にまでなるのは免疫システムが弱っている場合がほとんどだが、今回のケースを見ると、誰にでも起こり得るといえる。

医師チームは「ペット飼い主がインフルエンザのような症状を発した場合、呼吸困難や発疹など、通常のウイルス感染よりもひどい症状に見舞われた場合は、すぐさま病院で診察を受けるべきである」と警告している。

https://tocana.jp/2019/12/post_131289_entry.html

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