2020/08/08【新型コロナウイルス:COVID-19】サウナでコロナ感染を避けるには?新しいサウナ作法を医師に聞いた

新型コロナウイルスでやり玉に挙げられた夜の街。感染のリスクは完全にはなくならない状況で、いかに安全に楽しく夜遊びをすればいいのか……。アフターコロナ・ウィズコロナの夜遊びの新様式について探ってみた。
ウィズコロナ時代の新しいサウナ作法は「触らず、話さず、つけず」
夜遊びのシメの儀式としてだけでなく、エンタメ界の一角にもしっかりとポジションを確保した感のあるサウナ。室内を高温に保つ性質上、密閉が不可欠ゆえにコロナ感染の観点からはハイリスクに見える。そこで、適切なサウナ利用に向けての啓蒙活動を行っている、日本サウナ学会の加藤容崇医師に医学的見地からの見解を聞いた。
「サウナ室の天井近くの温度は95~100℃に達しますが、人間が座っている高さの温度はせいぜい70~80℃。70℃の環境においてコロナウイルスは5分間生存することが判明しているので、もし感染者が喋ったり、咳やくしゃみなどをしてウイルスを飛ばしたら、飛沫感染のリスクがあります」
こうした危険性を踏まえて、各サウナ店は入店時の体温測定やサウナ室の換気、室内でのルールづくりなど、できる限りの感染予防策に取り組んでおり、特に飛沫感染防止への意識は高い。
「当店では、タオルで鼻と口を覆ってマスク代わりにするタオルマスクをお願いしています。また、大人数で連れ立ってのご来店も遠慮していただいています」(かるまる池袋店・小島大舗氏)
従業員とトークしながら受ける熱波サービスも、飛沫感染の恐れがあるため自粛する施設がスタンダードとなりつつある。
ただ、店側の努力だけでは、感染を断つのは難しい面も多々ある。加藤医師によれば、ウィズコロナ時代に重要なのは、利用者側の「サテラシー(サウナのリテラシー)」の強化だという。では、サウナ愛好家がマスターすべき作法とは、どのようなものなのか。
「まず、トイレなどで不特定多数が触れる箇所を触ったら、その都度手を洗うか消毒すること。浴室に入ったら体を洗って清潔にし、飛沫予防のためサウナ室では私語は厳禁、タオルなどで口を覆うことが望ましいです。互いに間隔を空けて座りたいので、サウナ室が混んでいたら、次のターンまで待ちましょう」
そしてサウナや浴槽など、あらゆる場面で気をつけたいのは「顔を触らないこと」だ。
「汗が垂れてきたらつい手で顔を拭いたくなりますが、接触感染予防のためにも必ずタオルで拭ってください。水風呂には豪快に入りたいところですが、入る前に必ずシャワーで頭と体を流し、頭まで潜ったり、顔を水につけたりしないことなど、マナーの徹底がより大事になるでしょう」
究極のサウナはアウトドアで堪能
こうした窮屈さを嫌うサウナ愛好家から注目を集めるのがアウトドアサウナだ。河原にテントサウナを設営。最後は冷たい渓流にダイブすれば、極上のひとときが訪れるというわけだ。加藤医師も「屋外は感染リスクが減るので、理にかなっている」と太鼓判を押す。今年の夏はサウナキャンプが流行するかもしれない。
<新しいサウナ遊びの3か条>
・私語厳禁。タオルマスクで飛沫対策
・水風呂では顔を浸けずに我慢
・今年の夏はアウトドアサウナ
【加藤容崇氏】
慶大医学部特任助教、日本サウナ学会代表理事。著書『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』(ダイヤモンド社)
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