症状①嘔吐、下痢(血便・血尿)
犬が食中毒を起こしたときに最も起こりやすい症状が嘔吐や下痢です。どちらも消化器系に異常を来したときに起こる症状で、原因となるものを摂取してすぐに吐き出すこともありますし、消化してから胃腸に異変が起きて嘔吐や下痢が発生することもあります。
四つ足で動く犬は人間に比べて嘔吐しやすい動物のため、ちょっとした刺激で吐いてしまうことがあります。そのため、中には様子を見ていて問題ない場合もあるでしょう。嘔吐の回数が少なく元気な様子の場合や、散歩中に草を食べたあと、空腹時に泡のような胃液を吐いたときなどは食中毒などとは関係ないことが考えられます。
下痢も同様で、食事だけでなく気候の変化やストレスなどが原因となることもあり、多くの犬が経験することだと思います。こちらもすぐにおさまって元気な様子が見られれば、様子を見ていて問題ないでしょう。
食中毒の場合には、よだれが止まらなくなったり、泡を吐いたり、嘔吐が何度も繰り返されたりします。中毒症状が起きてしまっていると、胃の中のものがなくなってもえずいて吐き続ける様子が見られます。
また、嘔吐や下痢が長引くと栄養の吸収ができなくなったり、脱水症状を起こしたりすることがあります。食中毒の場合、繰り返し嘔吐し食欲廃絶、元気消失します。胃腸炎が起きた時の嘔吐に比較して回数がはるかに多いので、明らかに食中毒かどうかの判断がつかない場合でも、これらの症状が続く場合は、動物病院で診てもらうようにしてください。
症状②食欲不振
嘔吐や下痢のように明らかに胃腸に異常があらわれていなくても、食中毒の症状が出ていることがあります。中毒物質を取り込んだ量が少なかったり、取り込んだ毒物の毒性が低い場合は食欲不振、体調不良のみの場合もあります。毒性のあるものを摂取したときに、消化器官に負担がかかったり、刺激が与えられて食欲が低下したりすることがあります。
動物は怪我や病気をしたときに、その部分を休めることで回復を図ります。そのため胃腸の状態が悪いときには、食べることをやめて胃腸が自然に回復することを待つのです。
そのため、普段は食べることが大好きな犬の食欲がなくなったときや、食べずに寝てばかりいるときは食中毒など体に異常が起きている可能性を考えてください。また、ぐったりした様子が見られるときは、できるだけ早く動物病院で診てもらうことをおすすめします。
症状③けいれん発作・呼吸困難
食中毒の症状の中で、重症だと考えられるのがけいれん発作や呼吸困難です。犬が倒れた状態でけいれんを起こしたり、泡を吐いたり、チアノーゼを起こしたりといった症状が出た場合、放置すると死に至る可能性もあるので迅速な対応が必要です。
食中毒によってこのような症状が出るのは、犬の体にとって毒性の強い食べものや薬物、化学物質などを摂取したときに起こりやすいとされています。
「犬が食べてはいけない」とされているチョコレートやネギ類、ぶどうなどを食べたときを始め、たばこや医薬品を飲んでしまったり、散歩中に除草剤の撒かれた草を食べてしまったりという場合にも見られます。
また、アレルギーを持っている食べものを口にしてしまったときにも、一気に重症化する可能性があるので食べものの管理は十分に注意しましょう。
まとめ
食中毒は最悪の場合死に至る恐ろしいものですが、犬にとって日常的に起こりうるトラブルです。食中毒を起こす原因は非常に多く、すでに記載したようにチョコレートやネギ類など人間にとって身近な食材で重い中毒症状が発生することがあります。
また、カビの生えた食べものやじゃがいもの芽のような自然毒が原因となったり、種類によっては観葉植物などを口にして中毒を起こしたりすることもあります。
愛犬を食中毒から守るためには、私たち飼い主が食べものや身の回りのものに気を配って、適切な管理を行うことが大切です。犬にとって危険のあるものは何かということを把握して対策を取り、万が一に備えて食中毒の症状についても知っておくようにしましょう。
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