2018/03/26【鳥インフルエンザ】鳥インフルエンザウイルス不活性化剤の新素材開発に成功

【鳥インフルエンザ】鳥インフルエンザウイルス不活性化剤の新素材開発に成功

京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター(大槻センター長)と有限会社ランドベル(代表取締役 藤川 太一)は、この度、鳥インフルエンザウイルスの防疫対策に関わる、新素材の開発に成功した。

 「【発明の名称】インフルエンザに対する消毒剤及びその製造方法、並びに、インフルエンザウイルス不活性化方法」の国内特許申請に至る。

 廃棄ガラスびんを主原料とし、自然環境にやさしく、資源循環型社会構築に貢献する製品である。

 鳥インフルエンザウイルスは、日本国内に存在せず、海外から飛来する渡り鳥などの野鳥が、ウイルスを持ち込まれるため、ウイルスの防疫消毒剤は、国際的な展開となる見込みである。

1. 概 要

街で廃棄されるガラスびん類を主原料とし特殊製法により製造された新素材を、インフルエンザウイルスを防疫する不活性化剤として活用するため、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターにおいて共同研究を実施。新素材が鳥インフルエンザウイルスの不活性化剤として即効性を持つことが検証された。

2. 経 緯

⑴ 平成29年8月1日より、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターと共同研究を開始。

⑵ 平成29年11月8日の実験において、鳥インフルエンザウイルスに対する不活化効果について検証し、その結果、ウイルスと10分間接触させる事により、ウイルス力価を約10万分の1に減少させる素材を見出した。即ち、効力が強く、しかも、即効性のある消毒剤の候補となり得る素材が開発された。

3. 素材の製造及び特徴

この度の防疫対策剤の主原料は、街や工場などで廃棄されているガラスびん類や板ガラス等(以下、廃棄ガラスという)からリサイクルされ出来た、環境にやさしい資源循環型の製品です。

先ず、地域より集められた廃棄ガラスを、粉砕・焼成し、「スーパーソル」と言う多孔質で軽量な人工発泡軽石を製造します。

このリサイクル製造された人工発泡軽石「スーパーソル」は、土木資材はもとより、農業や緑化事業、水質浄化材など多岐に渡り国内外でご使用頂いております。

特に(有)ランドベルでは、デニム洗い加工工場で、生地の色落としに使う天然石の代替資材として、この人工発泡軽石を安全安心にご使用頂いております。

また、海外で話題の、錦鯉の養鯉場水質浄化剤としてもこの人工発泡軽石が使われており、今後、錦鯉の輸出とともに、最新養鯉システムとして輸出が見込まれます。このシステムをエビの養殖に応用することも出来ます。

今回新たに、この人工発泡軽石をさらに粉砕して特殊加工を施し、人工ゼオライトを試作しました。

ゼオライトには、オングストローム(100億分の1m)単位の極微少微細な空洞があり、その構造により吸着、触媒、分子ふるい、イオン交換などの多くの機能を備えており、多様な用途に利用されています。こうして出来上がった人工ゼオライトは、LSX型高品質ゼオライトまで生成でき、技術を結集させることで、この度の、鳥インフルエンザウイルス消毒剤の開発に成功しました。

ゼオライトとは、沸石類と呼ばれる鉱物の総称で、イオン交換機能も持っています。例えば、液体の中で、微細孔内の水分子を放出し、かわりに毒素・アンモニア等を吸着する事ができます。具体的には、動物体内の酸性化によって発生する毒素、フリーラジカル、代謝最終産物、アンモニアなどを吸着して排出し、重金属、放射性物質、マイクロ元素等のイオン交換による排出機能などがあります。人・動物に安全性が高いことが従来から知られている製品です。

この度、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターとの共同研究により、当社の開発した一新素材を、鳥インフルエンザウイルスと10分間接触させたところ、試験に用いたウイルス力価を、約10万分の1に減少させることが確認されました。さらに特筆すべきは、室温で10日間程度保管することで本素材は分解され、抗鳥インフルエンザウイルス効果が消失することが判明しました。すなわち、本素材は環境下早期に分解され、抗菌・抗ウイルス作用を持たず毒性を示す恐れのない、安全な物質に変化するため、自然環境にもやさしい、安心安全な鳥インフルエンザ防疫対策としての、新しい有益な製品になりうるのです。

4. 今後の対応

過去においては、2015年1月15日岡山県笠岡市で、それまで万全のウイルス対策施設とされていた近代的ウインドレス鶏舎において、鳥インフルエンザウイルスのために20万羽が殺処分された事例があります。また最近では、今年1月10日に香川県さぬき市の養鶏場において発生している。

動物感染症の中でも、高病原性鳥インフルエンザの原因ウイルスである鳥インフルエンザウイルスは地球規模で広く感染を引き起こし、渡り鳥などの野鳥が日本国内に持ち込むため、養鶏産業界での厳重な防疫対策が求められています。また、人にも感染し得るウイルスであるため、公衆衛生学的にも重要視されており、厳格な防疫対策確立が喫緊の課題となっています。この鳥インフルエンザ防疫確立に寄与すべく、今回開発した、抗鳥インフルエンザウイルス作用を持つ本素材の一日も早い製品化を進めたいと考えております。すでに香川県の養鶏業者様や広島県の養鶏業者様からの問い合わせもあり、鳥インフルエンザのシーズンともいわれる今秋までには、消毒剤の製造・供給体制を整えるとともに、広島県をはじめ,国や市町村など行政機関からの指導・援助を仰ぎながら、感染撲滅に努めてまいります。国内特許申請も終了しましたので、今後は、鳥インフルエンザウイルス防疫対策のみにとどまらず、他の病原ウイルスに対しても不活性化効果があるか、今後も引き続き検証していく方針です。

さらに、メディアの皆様にご協力頂きながら世界への発信を続け、鳥インフルエンザウイルス撲滅と廃棄ガラスのリサイクル推進のため、事業協力頂ける製造・販売拠点を増やしていく方針です。

http://pressrelease-zero.jp/archives/125967

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