2017/06/02【キノコ食中毒】「死のキノコ」で肝臓移植 乳児含む14人が食中毒 米カリフォルニア /アメリカ

【キノコ食中毒】「死のキノコ」で肝臓移植 乳児含む14人が食中毒 米カリフォルニア /アメリカ

毎年秋になると、毒キノコによる食中毒が後を絶たないが、米国の疾病予防管理センター(CDC)は2日、カリフォルニア北部の住民が、猛毒の「タマゴテングタケ」を食べて深刻な中毒を起こしたと発表した。現地では「Death Cap(死の帽子)」と呼ばれるキノコを食べた14人のうち、3人は肝臓の移植手術を受けなければならなかったという。

CDCがカリフォルニア州の毒物調査機関(CPCS)から報告を受けたのは昨年12月。長雨の後に温暖な気候が続いた11月終わりから12月にかけての2週間で、1歳半の赤ちゃんを含む14人が相次いで激しい下痢や嘔吐を起こし、救急病院に運ばれる異常事態が発生。

いずれも共通していたのは、24時間以内に野生のキノコ料理を食べたこと。脱水症状が進んで白血球の数値が異常に高まり、深刻な肝機能障害を発症。猛毒のタマゴテングタケが犯人だった。

夏から秋にかけて広葉樹林に生えるこのキノコは、「猛毒キノコ御三家」と呼ばれるほど強烈な毒を持っている(残りはドクツルタケとシロタマゴテングタケ)。

白みがかったオリーブ色をしており、食べると24時間以内にコレラのような嘔吐や下痢、腹痛が起こり、その後、症状が治まって回復したような状態になるが、ここで油断してはならない。数日後に肝臓や腎臓の細胞が破壊され、劇症肝炎のような症状が起こり、高確率で死に至る。解毒剤はなく、毒素を体外へ排出するために、利尿剤や活性炭を投与し続けなければならないが、症状が重いと肝臓移植を行うことも…。

日本では北海道で発見されることがあるが、本州では珍しい一方で、御三家のうちのシロタマゴテングタケについては、栃木県などで数件の食中毒が発生、うち1人の死亡が確認されている(厚生労働省)。

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