2021/12/22【新型コロナウイルス:COVID-19】オミクロン株 “市中感染” 大阪府の家族3人 感染経路不明 /大阪府

大阪府は、新型コロナの新たな変異ウイルス、「オミクロン株」に感染経路が分からないいわゆる市中感染したとみられるケースが確認されたと発表しました。感染したのは府内に住む海外渡航歴のない家族3人で、府は、広がりを抑える対策を急ぐ方針です。
大阪府によりますと、「オミクロン株」への感染が確認されたのは、府内に住む30代の男女と10歳未満の女の子の合わせて3人です。
3人は家族で、今月18日に男性が体調不良を訴え、その後、ほかの2人も症状が出て詳しく調べたところ、「オミクロン株」への感染がわかったということです。
いずれも直近に海外への渡航歴がなく、感染経路もわからないということで、大阪府は、いわゆる市中感染と見ています。
3人は入院していて、発熱のほか、喉の痛みや倦怠感などの症状があるということですが、いずれも軽症だということです。
また、30代の男女2人は、ワクチンを2回、接種していたということです。
この家族は3人のほかに子どもが2人いて、いずれも新型コロナへの感染が確認されているということです。
大阪府は、この2人も「オミクロン株」に感染している可能性があるとしてゲノム解析を進めています。
家族の濃厚接触者は現時点で3人いて、大阪府は専用の宿泊療養施設に入所して待機してもらうことにしています。
大阪府は、家族に関係のある人を幅広く検査するなどして、「オミクロン株」の広がりを抑える対策を急ぐ方針です。
厚生労働省によりますと、今回、感染が確認されたのは、大阪府に住む30代の男女と10歳未満の女の子の合わせて3人です。
3人は家族で、厚生労働省によりますと、直近に海外への渡航歴がなく、現時点でオミクロン株の感染者などとの接触は確認されていないということです。
厚生労働省は、感染経路が分からない、いわゆる市中感染が確認された初めてのケースと見て、国立感染症研究所から専門家を大阪府に派遣して、濃厚接触をした人の特定を進めています。
また「この夏に比べて感染拡大のスピードが非常に速い可能性がある」として、都道府県に対し、オミクロン株の流行を想定して、来年1月上旬までに、病床の確保や検査、自宅での健康観察の体制などを強化するよう通知しました。
このほか、大阪府では、今月18日に関西空港から入国したトルコに滞在歴がある30代の男性1人の感染が新たに確認されています。

■感染経路不明の3人は

大阪府によりますと、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への感染が確認されたのは、府内に住む30代の男女2人と10歳未満の女の子です。
3人は同じ家族で、海外渡航歴はなく、感染経路もわかっていないということです。
今月18日に、30代の男性が体調不良を訴え、その後、ほかの2人も症状が出て医療機関で新型コロナの検査を受けて府が詳しく調べたところ、いずれも「オミクロン株」への感染がわかったということです。
3人はすでに入院していて、発熱のほか、喉の痛みや倦怠感などの症状があるということですが、いずれも軽症だということです。
また、30代の男女2人は、ワクチンを2回、接種していたということです。
この家族は5人家族で、ほかの子ども2人も、新型コロナへの感染が確認されています。
府は、オミクロン株への感染の可能性があるとして、ゲノム解析を進めています。
また、この家族の濃厚接触者は、現時点で3人いて、府は専用の宿泊療養施設に入所して待機してもらうことにしています。
この家族のうち、30代の男性は教員で、勤務先の学校に濃厚接触者にあたる人はいませんが、学校を休校にしたうえで、府は、関係者を対象に新型コロナの検査を進めています。
さらに家族の子どもが出入りしていた児童福祉施設も休園となり、府は、関係者の検査を進めることにしています。
府は、この家族とは別に、いずれも府内に住むトルコに渡航歴のある30代の男性と関西空港の検疫の職員の合わせて2人もオミクロン株への感染が確認されたことを発表しました。
また、このほかにも現時点で、府内に住む5人が、デルタ株以外の新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。
府は、オミクロン株への感染の可能性があるとして、ゲノム解析を進めています。
5人のうち2人は、オミクロン株への感染が確認された30代の男女の子どもです。
また、別の1人は海外への渡航歴がある人と接点がある人で残る2人は、海外への渡航歴はなく、感染経路はわかっていないということです。

■吉村知事「府内のほかの場所でも可能性十分ある」

吉村知事は「市中感染にあたる」としたうえで「大阪府内のほかの場所でもオミクロン株の市中感染が発生している可能性は十分あるので、それを前提にした対策をお願いしたい」と述べました。
市中感染の疑いがある3人の濃厚接触者については、保健所が調査を進めていて、わかり次第、検査を行うとしています。
一方、今回、感染が確認された別のもう1人は、海外への渡航歴があり、入国時の検疫の検査では感染は確認されなかったということですが、濃厚接触者としてホテルに滞在中に感染がわかったということです。

■岸田首相「市中感染と受け止めて対策徹底」

岸田総理大臣は「今回の事案は海外渡航歴がなく保健所による感染源の調査がいま行われているところだが、国としてもリンクの追えない、いわゆる市中感染の事例と受け止めて、対策を徹底していく。オミクロン株は、感染性や伝搬性の高さが指摘されており、国内の感染封じ込め対策の強化をスピード感を持って実行していきたい」と述べました。

■後藤厚労相「市中感染に該当する」

現時点で感染経路が分からない「オミクロン株」の感染者が大阪府内で確認されたことを受け、後藤厚生労働大臣は、記者団に対し「大阪府が国立感染症研究所の専門家チームと連携して調査しているが、現時点で感染経路は不明であり、いわゆる市中感染に該当する事例として受け止めて、必要な対策を講じていきたい」と述べました。
そのうえで、現在行われている、外国人の新規入国を原則停止している水際措置や、すべての国内感染者を対象に「オミクロン株」の検査を行っている監視体制を継続する考えを示しました。
また、後藤大臣は、国内での感染拡大に備え、自宅療養者が増えても健康観察や診療を適切に行えるようにすること、検査体制を確保すること、承認後、速やかに飲み薬を提供できるようにすることを都道府県に対し、22日付けで通知したことを明らかにしました。
さらに、この中では、病床の早期確保に向け、感染状況を示す「フェーズ」の引き上げを早めに判断するよう求めています。
そして「国立感染症研究所は、基本的な感染予防策として、変異株であっても従来と同様、3密の回避とマスクの着用や手洗いなどの徹底が推奨されるという見解を示している。国民の皆さんには感染予防策への協力をお願いしたい」と呼びかけました。

■専門家「2か月ほどかけ感染広がる可能性」

関西福祉大学の勝田吉彰教授は、「オミクロン株は海外では感染者の7割以上を占める国も出ていて、国内で感染広がるのは想定内のことだ。現在はまだ大規模に広がってはいないと思うが、デルタ株などの状況を振り返ると今後、2か月ほどかけて感染が広がっていく可能性がある」と述べて注意を呼びかけました。
オミクロン株の特徴について勝田教授は、「海外のデータからデルタ株などこれまでの変異株に比べて感染力が強いと指摘されている。重症化のリスクについてはイギリスなど先行して感染者が増えている国でもまだ十分なデータがなく今後数週間の経過を見ていく必要がある。アメリカの一部の州では入院患者が増え、病床がひっ迫しているという報告もあり軽症ばかりではないので注意が必要だ」と指摘しました。
また、ワクチンや薬の効果については、「ワクチンの効果は特に2回接種の場合は低下するとされているが、3回目の接種を受ければ十分な効果が期待できるというデータがある」と話し、高齢者など重症化リスクが高い人を中心に3回目の接種を急ぐ必要があると指摘しました。
一方、大阪府が飲食店への人数制限などの要請を来月(1月)も継続することを決めたことについては、「大人数での会食という最もリスクの高い行動を避けてもらうのが目的で、これを継続するという判断は感染者数が少ない現時点では妥当なものだと思う」と評価したうえで、「今後の感染状況に合わせて対策を強めていくべきだ」と訴えました。
また、今後の感染対策については、「年末年始を迎え、人が集まったり、移動したりする機会が増える。室内の換気を十分行うとともに特に重症化のリスクが高い高齢者などとはなるべく接触の機会を避けるなど対策を継続してほしい」と呼びかけています。

■専門家 “市中感染 日本のどこでも起きえる”

厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「オミクロン株の感染力が、これまでよりも強いことを考えると、検疫を突破されることは十分に想定されていた。今回は、たまたま大阪だったが、市中感染が見つかるケースは、日本のどこであってもおかしくない」と指摘しました。
そのうえで「市中感染が確認された地域では、周囲に感染が広がっていると思われるので、さらに広がるのを、どう防ぐのかがポイントだ。症状がある人は外に出ず、早めに医療機関を受診して検査を受けること、鼻水など体調の変化が少しでもあれば、会合などの出席を控えること、会食などは少人数で短時間で行うことなど、感染リスクを抑える行動を取ることが重要になってくる。また、年末年始にかけては、医療機関を受診しにくくなるので、各自治体は受診体制をどう整えていくか早急に考える必要がある」と話していました。

■専門家 “もう一度しっかり危機意識を強く持って”

東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「オミクロン株の市中感染が出てきたことについては、非常に厳しく見ていかなければならない。海外では格段に感染が拡大していることを考えると、国内でも市中感染が起こりうる状況にあった。新型コロナウイルスの市中感染は、まず人口密度の高いところ、大都市などから起こる可能性が高いが、大阪だけでなく、東京都や、そのほかの都市でもすでに広がっているという考えで対応していく必要がある。これまでも第6波に備えた医療体制の構築が進められてきたが、重症化した際の対応、軽症、中等症への対応など、きめこまやかな対応が求められる」と話していました。
そのうえで「これから年末年始に向けて忘年会や帰省などを計画している人も多いと思うが、オミクロン株が出てきたことで、もう一度しっかりと危機意識を強く持ってもらいたい。マスクの着用や手洗い、換気、3密を避ける、距離を保つといった基本的な感染対策を、より一層徹底してほしい。それが第6波を、できるだけ防ぐことにつながるはずだ」と話しています。
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