2022/07/09【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ、医師5割「5類相当にすべき」

東京都医師会会長の尾崎治夫氏は6月14日の定例記者会見で、「2類相当からいきなり5類は難しいが、2類相当から脱却した方が良いと考えている」と語り、都医として「5類相当」への見直しを求める案を提示した(『新型コロナ「5類相当に」、都医が分類見直し提言』を参照)。発生届は全数を診断後、直ちに行う体制を維持しつつ、入院勧告や入院措置、就業制限、健康観察は行わないという内容だ。
こうした提言について、どのように考えるか、m3.com会員に尋ねたところ開業医の52.0%、勤務医の49.7%が「5類相当にすべき」と回答した。

Q1.新型コロナを「5類相当」にするという提言について、どのように考えますか?

開業医の52.0%、勤務医の49.7%が新型コロナについて「5類相当にすべき」と回答した。「5類にすべき」と答えたのは開業医の13.5%、勤務医の15.8%であり、「現状を維持すべき」と答えたのは開業医の18.3%、勤務医の18.1%だった。

Q2.発生届についてはどのように考えますか?

発生届については開業医の54.7%、勤務医の51.0%が「定点報告とすべき」と回答した。全数報告すべきと答えたのは、その半数の開業医は25.4%、勤務医は26.4%となっている。

Q3.Q1・Q2のように回答した理由を教えてください。【任意】

【Q1:5類相当にすべき / Q2:全数報告すべき】

・まだ変異株などの出現も考えられるため手を緩めない方が良いと考えられるため。(開業医)
・疫学的調査は継続しながら、医療のひっ迫を避けたい。(勤務医)

【Q1:5類相当にすべき / Q2:定点報告とすべき】

・重症患者が減少しているため。(開業医)
・コロナは完全に風邪と扱っていいと思います。(開業医)
・今の症状はほとんど普通の風邪。(開業医)
・だんだん危機感がなくなっているので、もうそろそろいいのかなと感じています。(開業医)
・もはや、デルタ株のような勢いがないものをここまで管理する必要がない。(開業医)
・だんだん普通の感冒に近づいている。(勤務医)
・オミクロン株になり、重症率は圧倒的に低くなったから。(勤務医)
・現在の2類、5類といった分類がCOVID-19の対応に自由を奪い、結果として誰にとっても納得できない状況になっている。(勤務医)
・以前ほど重症化される方は多くなく、検査も治療もインフルエンザ並みになってきた。(勤務医)
・病院内などに感染者が紛れ込むと、感染が広がるリスクはあるので。(勤務医)
・重症率が低く、感染拡大を強く制限する必要性が低くなった。これ以上、コロナ対策で過剰な医療費を投入する必要性は低いと思う。(勤務医)
・オミクロン株以降、肺炎になることはほぼなくなっている。後遺症に関しても、デルタ株までとは発生頻度が減少している。入院治療している人も激減し、ほぼ自宅療養となっている。(勤務医)
・いつまでも現状で対応するのは難しい。治療薬もある程度出てきているので、もっとシビアな疾患もある中で、今のままは無理がある。(勤務医)
・折り合いをつけて生活しないと、コロナ以外の患者が診察できない。(勤務医)
・ワクチン政策と今後治療薬等を含めると、レベルを落としてもいいでしょう。ただし今後も監視を怠らず、対策を打てるよう検討し続けることが必要。(薬剤師)

【Q1:5類にすべき / Q2:定点報告とすべき】

・無症状の濃厚接触者の自宅待機の撤廃、感染者の軽快後の自宅待機期間の短縮をお願いしたい。(開業医)
・侮らない姿勢で 、と言うが、こういう曖昧な意見は日本の特徴であり、欠点である。扱いを5類にするからには、そこまでの議論は十分に終え、決まったからには一切の煩わしい制約や届け出関係は廃止しないと意味がない、曖昧と不徹底は最悪の対処だ。感染者総数など検査数次第で、これまでも意味が有ってないようなもの、定点報告程度で十分だ。(開業医)
・インフルエンザと同じで良いと思う。(勤務医)

【Q1:現状を維持すべき / Q2:全数報告すべき】

・まだ緩めたら、爆発的に感染者が増えると思います。(開業医)
・強毒化を懸念。(開業医)
・基礎疾患のある人にはまだリスクが高い。感染者をコントロールすることが最善の予防。今後、インフルエンザとの区別も大切で、集団免疫状態にできるワクチンと治療薬がリスクが少なく投与しやすい状況にならないと、5類にすべきではないと思う。(開業医)
・医療費自己負担を嫌がり治療につながらない。(開業医)
・まだまだ後遺症もある怖い病気であることには変わりないので。(勤務医)
・いまだに確実な経口治療薬が開発されていない。(勤務医)
・再び変異ウイルスの発生が起こる可能性が高い。(薬剤師)
・まだ世界的な終息となっていないため。(薬剤師)

【Q1:現状を維持すべき / Q2:定点報告とすべき】

・まだ本当の意味で有効な治療薬が、開業医レベルで使用できるほど確保されていない。(開業医)

【Q1:分からない / Q2:分からない】

・5類にするには、インフルエンザのタミフルのような薬が出ることが前提だと思います。(開業医)
・現状は2類相当は言い難い状況になってきているが、また変異すればどうなるかが分からないため。(勤務医)

【調査概要】

調査期間:2022年6月20日~6月26日
対象:m3.com会員
回答者数:1676人(開業医:252人 / 勤務医: 764人 / 薬剤師: 524人 / その他: 136人)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 2017-8-7

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました!

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました! どうぞご利用ください! 医療看護環境学の目的 …
  2. 2021-4-1

    感染症ガイドMAP

    様々な感染症情報のガイドMAPです 下記のガイドを参考に、情報をお調べください。 感染症.com…
  3. 2021-4-1

    感染症.comのご利用ガイドMAP

    一緒に問題を解決しましょう! お客様の勇気ある一歩を、感染症.comは応援致します! 当サイトを…
  4. 2022-9-1

    感染対策シニアアドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策シニアアドバイザーを2022年版に改訂しました! 感染対策の最前線で働く職員の…
  5. 2022-9-1

    感染対策アドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策アドバイザーを2022年版に改訂しました! 一般企業の職員でも基礎から学べ、実…

おすすめ記事

ページ上部へ戻る