2020/06/16【新型コロナウイルス:COVID-19】北京で新たに100人の感染者、規制強化 ロックダウン拡大 /中国

中国・北京市で、再び新型コロナウイルスのアウトブレイク(大流行)が発生している。同市はロックダウン(都市封鎖)措置の対象地域を拡大し、ウイルス検査を強化して感染拡大を封じ込めようとしている。
世界保健機関(WHO)は15日、北京市での集団感染で新たに100人以上の感染が確認されたと発表した。
北京ではこれまで7週間以上もの間、新たに確認される感染者は、海外からの帰国者だけだった。
WHO健康危機管理プログラム責任者のマイク・ライアン博士は、新たなクラスター(小規模な集団感染)は「常に懸念」されるものの、「迅速な対応と包括的な措置の実施を期待している」と述べた。

これまでに分かっていること

今回のアウトブレイクは、北京南西部・豊台区にある北京最大の卸売市場「新発地市場」と関連がある。
地元メディアによると、輸入のサケに使用するまな板から新型ウイルスが検出されたという。これにより、北京市内の複数の主要スーパーは魚の販売を取りやめた。
市場の総支配人と地元当局者数人が解雇された。
一方でWHOのライアン博士は感染源の特定に慎重で、サケあるいはサケの包装がウイルスを媒介したというのは「仮説」に過ぎないと述べた。
ほかの保健の専門家たちは、サケよりも交差汚染の可能性が高いと指摘している。
中国疾病対策センター(CDC)の首席疫学者は、北京で発見されたウイルス株は、中国国内のほかの場所で広まっているウイルス株とは異なると述べた。WHOも、このウイルス株の塩基配列を共有するよう中国に求めている。

市場閉鎖、周辺地域封鎖も

新発地市場は13日未明に閉鎖され、周辺地域に制限措置が課された。
北京市は15日までに200カ所近いウイルス検査場を設置したほか、5月末以降に同市場を訪れた約20万人に連絡を取ったと、 中国の国営新華社通信が報じた。
検問所ではボランティアが住民の検温を実施した。
また、市内のロックダウン対象範囲が市場近くの21の居住区に拡大された。市内の屋内スポーツ施設や娯楽施設、多くの学校は閉鎖された。
北京市が平常に戻ろうとする中、感染の第2波への不安が浮上している。世界のほかの場所で感染のホットスポットが発生する一方で、新型ウイルスの感染者が世界で初めて確認された中国では新規感染者数は劇的に減少していた。
ドイツ、ベルギー、クロアチア、スイスは15日、ほかの欧州連合(EU)加盟国との国境を開放した。フランスではカフェやレストランが営業を再開した。
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