2020/06/13【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ、新規感染が最多の14.4万人 経済再開で加速

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。11日の新規感染者数は14万4千人を超え、過去最多を更新した。ブラジルやパキスタン、インドなど新興国で増加が続くことに加え、経済活動の再開に伴い米国でも感染者数が再び増加傾向にある。新興国でも外出制限や都市封鎖の解除が始まっており、感染拡大ペースが加速する恐れがある。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新規感染者はブラジル(約3万人)が最多で、米国(約2万3千人)とあわせた2カ国で世界の4割近くを占める。パキスタン(約1万2千人)とインド(約1万人)が続き、新興国では中南米と南アジアでの感染拡大が深刻化している。同大は毎日、感染者数などを過去に遡って修正している。
日本時間13日午前5時時点で、世界の累計感染者数は757万人、死者数は42万3千人となっている。ブラジル政府は12日夜、累計死者数が4万1828人になったと明らかにした。英国(4万1566人)を抜き、米国に次ぐ世界で2番目となった。
累計感染者数が200万人を超えた米国では、経済活動の再開に踏み切った州を中心に新規感染患者数が増えている。米ニューヨーク・タイムズ紙の集計によると、アリゾナ州の11日の新規感染患者数は約1500人、テキサス州は約2000人、カリフォルニア州は約3500人と増加傾向が顕著だ。一方、経済再開を慎重に進めてきたニューヨーク州は約700人にとどまった。
米ワシントン大は10月上旬までに新型コロナによる米国の死者数が約17万人と、現在の水準からから5割以上増える可能性があると警告した。
新興国でも経済再開がウイルスの感染拡大を招きそうだ。ブラジルの最大都市サンパウロでは11日からショッピングモールの営業が再開した。外出自粛令が2カ月以上続き、経済への悪影響が無視できなくなったためだ。
感染者数が世界4番目の約29万7千人に達したインドでも段階的な経済再開に動き出しており、一段と感染者が増える懸念が高まっている。政府は5月中旬に感染者の少ない地域で封鎖を緩和し、5月25日には飛行機の国内線も再開した。6月8日からは飲食店やショッピングモールの営業や宗教施設などの開館も認め、「バーが閉まっていることを除けば、ほぼ元通り」(南部ベンガルールに住む男性)という。
一方、新規感染患者の拡大を受けて、経済活動再開の動きを見直す動きも各地で出ている。
独フォルクスワーゲン(VW)やアウディの工場があるメキシコの中部プエブラ州も、15日からとしていた経済活動の再開をさらに延期すると決めた。
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