2020/06/11【新型コロナウイルス:COVID-19】WHO 新型コロナ“気候変化の影響 まだ不明” 対策徹底を強調

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスが夏場の気温上昇といった気候の変化によってどのような影響を受けるかはまだ分かっていないとして、人どうしの距離を保つなどの対策を引き続き徹底する必要があると強調しました。
WHOで危機対応を統括するライアン氏は10日、スイスのジュネーブの本部で開いた記者会見で、これから北半球が夏、南半球が冬を迎えることによる新型コロナウイルスへの影響を問われ「現段階でウイルスが今後、どのような動きをするか示すデータはない。季節や気温が解決してくれるという期待に頼ることはできない」と述べ、気候の変化による影響はまだ分かっていないとしました。
そして、感染拡大を防ぐためには引き続き人どうしの距離を保つことや、手洗いなどの対策を徹底する必要があると強調しました。
またWHOをめぐっては、アメリカのトランプ大統領が「中国に完全に支配されている」などとして脱退する意向を示し、資金の拠出も一時停止していますが、会見でテドロス事務局長は、先週、アメリカのアザー厚生長官とコンゴ民主共和国で確認されたエボラ出血熱への対応について話し合ったことを明らかにしました。
そのうえでテドロス事務局長は「アメリカは引き続き、特にエボラ出血熱への対策を支援すると保証してくれた。感染の封じ込めに向けて一緒に取り組んでいきたい」と述べ、アメリカとの協力関係は続いているとアピールしました。

WHO「ロシアの致死率の低さ 理解しがたい」

10日に行われたWHOの記者会見では、ロシア当局が新型コロナウイルスによる致死率を諸外国より低く抑えるため、死亡者数を少なく報告していると報じられていることについて、質問が上がりました。
これに対し危機対応を統括するライアン氏は「ロシアの人口や、ヨーロッパ諸国と同じような医療制度を持っていることを考えても、致死率の低さは理解しがたい」と述べ、ロシア側の報告に疑問を呈しました。
そして、感染者がほかの病気も抱えていた場合、死因を判断するのは難しいとしながらも、ロシア当局は、死因の判断基準を見直す必要があるという考えを示しました。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、ロシアでの感染者は日本時間の11日現在、およそ49万3000人と世界で3番目に多くなっているのに対し、亡くなった人は6350人と世界で13番目で、致死率は欧米各国に比べて低くなっています。
一方、ロシア政府は統計の操作などは一切行っていないと主張しています。
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