2020/04/28【新型コロナウイルス:COVID-19】集団感染の高齢者住宅で介助困難 /北海道

千歳市の高齢者住宅の入居者や職員合わせて15人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。職員の一部が出勤できず、介護が必要な高齢者の排泄や食事の介助などが十分にできなくなり、運営会社は「介護崩壊」を防ぐため今も住宅内にいる陽性患者8人を早く入院させたいとしています。
千歳市にあるサービス付き高齢者向け住宅「グラン・セラ柏陽」を運営する会社によりますと、約50人の入居者のうち34人は要介護認定を受けていて、これまではパート従業員も含む20人余りで介護を行っていました。
しかし職員に感染者が出たほか、発熱などの症状を訴えている人や家族の反対などで出勤できなかったり退職したりするパート従業員もいて、現在は常勤の職員6人が泊まり込みをするなどして認知症の人などの介護を行っているということです。
感染した人のうち8人は28日に感染が確認されたものの、午後4時半の時点で入院先が決まらずに治療が受けられず、ほかの高齢者も職員の大幅な減少によって排泄や食事の介助などを十分に受けられず、入浴のケアなども取りやめられているということです。
住宅を運営する会社の社長は「『介護崩壊』を防ぐためにも、陽性となった患者を早く入院させるようお願いしたい」と話しています。
これに対して千歳市は「高齢者住宅の職員の負担を減らすために、道と連携して、速やかに入院できるよう調整していく」としています。
また、道は千歳市と協議して状況の把握を進めるとともに、ほかの施設から看護師や介護士などを応援で派遣できないか検討しているということです。
【専門家“国は早急に対策を”】
千歳市のサービス付き高齢者向け住宅で職員が不足して入居者の食事や排泄のケアが十分できない事態になっていることについて、高齢者の介護や施設などに詳しい東洋大学の早坂聡久准教授は「海外で高齢者が密集する福祉施設で感染が広がる事例が出ていたので、日本でも広まってきたと大変危機感をもっている。今は残っている職員の方々の献身によってなんとかケアを続けている状態だと思うが、実質的には介護崩壊の状況になっていると思う」と述べました。
その上で「感染のリスクがあるため、感染が広まった施設に他のところから応援の職員を派遣することは難しく、現状では運営会社が責任をもって対応せざるを得ない。これは今回の北海道の事例に限らず、特別養護老人ホームなどの高齢者施設を含めて全国どこでも起こりうる非常に大きな課題だ。施設内で感染が広まってしまったあとの対策をどうするのか、国は早急に考えなければならない」と指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200428/7000020650.html

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