2020/04/27【新型コロナウイルス:COVID-19】看護職に感染集中 33人陽性の神戸・中央市民病院「現状はぎりぎり」 /兵庫県

兵庫県が新型コロナ対応で3本柱の一つに位置づける神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)で、新型コロナウイルスの院内感染拡大が収まらない。4月9日以降、看護師や入院患者ら計33人に広がり、県内の病院では最大のクラスター(感染者集団)になった。感染症の指定病院を揺るがす事態に、同院の医師の一人は「なぜこうなったのか。皆非常にまずいと感じている」と明かし、不安を募らせる。
感染者は18病棟中半数の9病棟に広がる。コロナ感染対策などについて同院の職員らにはメールで通知されるが、看護師らがどの病棟でどう感染したかの連絡はなく、報道を通じて内容を知るという。ある医師は「一番の不満は院内感染の情報を詳しく知らされていないこと。自分がうつるかもしれないと危惧し、家族も心配している」と語る。
同院のクラスターの特徴は看護師らへの拡大だ。感染した職員26人のうち、看護師、看護助手が20人を占める。医師より感染者と接触する時間が長く、リスクが大きいという。感染者と接するときは防護具を着けるが、「脱衣時が一番危ない」と同医師。休憩室で感染が広がった可能性も指摘する。
日本看護協会(東京都)によると、看護師は常にフェースシールドを着けて対応するとは限らず、高齢者を抱きかかえた際に感染した疑いのある事例も報告されている。同協会の福井トシ子会長は「防護具の脱衣は相当時間がかかる。完全に感染を避ける方法をとるには、時間的に切迫している中では厳しい」と話す。
一方、神戸市は22日の会見で、感染経路は調査中としながら「脱衣には問題がなかった。休憩室は厳格に運用している」と感染につながった可能性を否定した。
同院は一般の病気でも重症患者を広く受け入れる3次救急を担っているが、救急外来と手術は原則中止し、一般外来の診療も制限した。一方、新型コロナの重症患者の受け入れは継続しており、現在約10人が入院しているという。
自宅待機の職員は22日の約240人から26日は108人まで減ったが、感染症科や呼吸器内科の職員は激務にさらされており、ほかの診療科の若手医師らで結成したチームが2週間交代で診療している。
同医師は「現状はぎりぎり持ちこたえているが、重症者病床が満床になれば医療崩壊が始まるかもしれない」と語った。
https://www.kobe-np.co.jp/…/sougou/202004/0013300384.shtml

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