2020/04/24【新型コロナウイルス:COVID-19】感染拡大と外出制限 イギリスでは難しさに直面 新型コロナ /イギリス

行楽地などを訪れる人たちをどう減らすのか、感染により亡くなる人が急増しているイギリスはいま、その難しさに直面しました。
イギリスは新型コロナウイルスの感染が世界で深刻な国の一つで、死亡した人の数は、1万8738人に上っています。
当初、イギリスでは、せきや高熱といった症状が出た場合には人との接触を避けるよう求めるなど比較的緩やかな対策がとられていました。
しかし、ウイルスの感染で亡くなる人が急増したことを受けて、先月16日、政府は市民に対し、飲食店や映画館などへの出入りや大規模な集会など人が多く集まる場所を避けるよう求めました。
また、公共交通機関の利用は、医療従事者など本当に必要な人に限るよう繰り返し呼びかけが行われました。
それでも感染の拡大は止まらず、ジョンソン首相は、先月20日、レストランやパブといった飲食店などを閉鎖するさらに厳しい措置を発表し、外出制限を強化せざるを得なくなります。
しかし、その週末、春の日差しに誘われた大勢の人たちが公園や行楽地に出かける様子があちこちで見られ、「政府がもっと強い措置に出るべきではないのか」という声があがりました。
インターネット上では、コロナウイルスを示すCovidと「愚か者」を意味するidiotを組み合わせた”Covidiot”という造語がトレンドワードとなり、外出を続ける人をネット上で非難する動きが散見されるようになります。
ジョンソン首相は先月22日、会見で「自然の新鮮な空気を吸ったから病気にかからないなんて思ったら大間違いだ」などと強い口調で述べて行楽地などに出向く人をいさめ、「状況を注意深く検証し、必要と判断すれば、さらなる措置に出る」と警告しました。
それからわずか24時間後の23日夜、ジョンソン首相は、国民に対して演説し、今は国家の非常事態だとして、「家にいなくてはならない」と述べ、違反した場合には罰金も科す厳しい外出制限の措置を打ち出しました。
食料や医薬品など生活に必要なものを提供する店舗以外は原則、営業を取りやめざるを得なくなり、さらに3人以上で集まることも禁止されました。
政府は、「家で過ごし、医療制度を守り、命を救おう」というスローガンを記者会見やソーシャルメディアを使って繰り返し発信する大規模なキャンペーンを続けているほか、警察は外出制限に違反している人への取締りを強化しました。
ただ、外出制限の効果が出るには数週間はかかるとされるほか、検査態勢が不十分で実態把握が遅れたことで、被害が拡大したとも指摘され、その後も死亡する人の数は増え続けます。
今月10日には、1日としてはこれまでで最も多い980人が死亡する事態となりました。
イギリス政府が厳しい外出制限を打ち出した先月23日の時点で、死者の数は今の日本とそれほど変わらない335人。
それがわずか1か月で56倍、1万8000人余りに増えました。
政府は入院患者が減少していることもあり、今月中旬ごろから感染のピークはこえつつあるとの見方を示していますが、今も1日に数百人が亡くなる状況は続いていて、外出制限が新たに3週間延長されるなど厳しい措置が緩和される見通しはたっていません。
英の専門家「連休や週末に外出控えること極めて重要」
イギリス、オックスフォード大学の医師で感染症と公衆衛生に詳しいピーター・ドロバック氏は、イギリス政府のこれまでの対応について「外出制限を導入するのが明らかに遅すぎた。導入時にはすでに感染が広がってしまっていた」と指摘したうえで、「外出制限が感染者の減少につながるまで2週間、死者が減るまでに4週間かかる。もっと早く導入されていれば事態は大きく変わっていた」として、対応の遅れが感染者や死者が増え続けている要因の1つだという考えを示しました。
ドロバック氏は、日本の状況について「いま、最も大切なのは、感染爆発が起きないように、多くの人が犠牲をはらって外出を控えているこの時間を有効に使うことだ。これが中途半端になり、従う人がいる一方で、仕事に行ったりレストランに行ったりする人がいれば、経済の打撃だけでなく感染拡大や死者の増加という最悪の組み合わせに直面してしまう。感染症対策には社会の結束が必要だ」として連休や週末に外出を控えることは極めて重要だと指摘しました。
そのうえで、海や公園などスペースが確保できる場所でも注意が必要だとして、「車で行けばガソリンスタンドにもレストランにも立ち寄るし、眺めのいいところで写真を撮ることもある。人との接触が増えることでリスクとなることには変わりない」と呼びかけました。
https://www3.nhk.or.jp/…/20200424/k10012404451000.html

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