2019/12/05【耐性菌】「耐性菌に感染 国内で年間8000人死亡」初めての推計

抗生物質などの抗菌薬が効かない耐性菌に感染し、日本国内で少なくとも年間およそ8000人が死亡しているとする推計結果を国立国際医療研究センター病院が発表しました。国内で死亡した人の数の推計が出されたのは初めてだということで、抗菌薬を適正に使い、耐性菌を増やさないことが重要だとしています。
抗菌薬の使いすぎなどによって生じる耐性菌によって、アメリカでは年間3万5000人以上死亡しているとされるほか、2050年には世界全体で死亡する人が1000万人に上る可能性があるとされます。
国立国際医療研究センター病院の研究チームは、医療機関から報告されている2種類の耐性菌に感染した人の数と、過去の研究で報告された血液に細菌が入る菌血症による死亡率などから、耐性菌で死亡した人の数を推計しました。
その結果、おととし(2017年)には、MRSA=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による死亡が4200人余り、フルオロキノロン耐性大腸菌では3900人余りと合わせて年間8000人余りが死亡したと推計しています。
日本国内で耐性菌によって死亡した人の数の推計が出されたのは初めてだということで、抗菌薬を適正に使い、耐性菌を増やさないことが重要だとしています。
研究チームは「今後、ほかの耐性菌についても調べるなど、より詳細な情報を集めて対策に生かしたい」としています。
菅官房長官「薬剤耐性 影響の大きさ明らかに」
菅官房長官は臨時閣議後の記者会見で、「国内の薬剤耐性菌による死亡者数の推計は、わが国として初めて行われたものであり、薬剤耐性による影響の大きさを明らかにした点では意義があるものだ」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「政府としては、2016年に策定したアクションプランに基づき対策を講じてきた結果、抗菌薬の不適切な処分は減少傾向にあるが、今後もしっかり取り組みを徹底していく必要がある」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/…/20191205/k10012202851000.html

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