和歌山県立自然博物館(海南市船尾)は22日、大水槽で展示していた魚が60匹程度、大量死したと発表した。アジ類が中心で、水槽にいた個体の3分の2にあたる。細菌やウイルスに感染し、病気を発症したことなどによるといい、同館は「今後このようなことがないよう、展示飼育や管理について細心の注意を払う」としている。大水槽以外の魚には、影響がないという。
同館によると昨年末、ろ過ポンプが故障。修理して先月末に動かし始めたが、今月初旬から病死する魚が続出した。ポンプの配水管に菌などが付着し、増殖したとみられる。「死んだのは高齢の個体。季節の変わり目で環境も不安定で、一気に感染が広がり、病状が悪化した」と説明している。サメ類やエイ類など生き残った3分の1については、菌のすみかとなる水槽底の砂を除去したり、薬剤を投与したりして病状は安定している。
同館は餌やりの様子の公開などを中止。大水槽の環境が安定した後、漁協や他水族館などにも協力を仰ぎ、来月初旬をめどに新たな魚を入れるという。