2019/02/24【性感染症】長崎大学と静岡大学、性感染症の拡散を再現する数理モデルの構築に成功 /長崎県、静岡県

長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野の伊東啓助教と山本太郎教授は、静岡大学工学部の守田智教授と共に、複雑ネットワークと母子感染を同時に考慮した性感染症の数理モデルを開発・発表した。
性感染症は主に、性感染と母子感染の2つのルートで感染が拡大される。これを踏まえた上で、性感染症の拡散を再現する数理モデルを構築できれば、効果的な拡散防止戦略を提案することが可能になると考えられる。
今回、同グループは世界で初めて、世代を超えて感染を広げる性感染症に対して、性接触の複雑なネットワークを踏まえて、性感染と母子感染を同時に考慮した拡散予測を可能にする数理モデルの開発に成功した。既存の研究で示された性接触頻度を数理モデルに導入したところ、一人あたりの感染者が生み出す2次感染者数の平均値(基本再生産数)は性感染に大きく影響を受けたが、意外にも母子感染はほとんど寄与しないことが明らかになった。この結果は、母子感染予防だけでは感染症の蔓延を抑制することができないことを示している。しかしながら、常に母子感染由来の感染者が存在するため、母子感染を防止することは無意味ではないことも数理モデルは同時に示している。
本成果により開発された数理モデルは、HTLV-1やHBVといったウィルス性の性感染症の拡散予測に役立つことが期待される。

長崎大学と静岡大学、性感染症の拡散を再現する数理モデルの構築に成功

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 2017-7-18

    次世代リーダー研修(総合リスク管理兼リーダー研修)

    感染症や食中毒対策、BCP、リスク管理、次世代リーダー育成など、事業の成長と防衛に欠かせない研修をパ…
  2. 2017-8-7

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました!

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました! どうぞご利用ください! 医療看護環境学の目的 …
  3. 2021-4-1

    感染症ガイドMAP

    様々な感染症情報のガイドMAPです 下記のガイドを参考に、情報をお調べください。 感染症.com…
  4. 2021-4-1

    感染症.comのご利用ガイドMAP

    一緒に問題を解決しましょう! お客様の勇気ある一歩を、感染症.comは応援致します! 当サイトを…
  5. 2022-9-1

    感染対策シニアアドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策シニアアドバイザーを2022年版に改訂しました! 感染対策の最前線で働く職員の…

おすすめ記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る