2017/10/24【毛ジラミ】心当たりのない65歳男性のかゆみ、拡大鏡で原因を確認 /メキシコ

かゆみなどの皮膚症状がある時、診察でダーモスコピー(拡大鏡)が役に立つことがあります。メキシコの医師らが65歳男性のかゆみの原因と見られた動画を医学誌に投稿しました。
足の付け根がかゆくなった65歳男性
医学誌『The New England Journal of Medicine』電子版に、メキシコの医師らがダーモスコピーで撮影した毛じらみの動画が掲載されました(「参照文献」のリンク先から見られます)。足の付け根あたりの激しいかゆみを訴えて皮膚科を受診した65歳男性についての報告です。
その男性はかゆみが6週間続いていました。診察では目で見ても皮膚に原因らしいものが見つかりませんでした。ダーモスコピーで調べたところ、陰毛に取りついている毛じらみが見つかりました。毛じらみが綱渡りのように毛をつかんだり離したりする動きが撮影されました。
どこで毛じらみがついたのか?
毛じらみは性行為で感染することが知られています。しかし、性行為がなくても日常生活の中でタオルなどを介してうつることがあります。この男性は最近性行為をしていないと言っていました。ほかの場所に毛じらみはいませんでした。ほかの性感染症も見つかりませんでした。
イベルメクチンなどの治療により2週間でかゆみはなくなり、4週間後の検査で毛じらみは見つからなくなっていました(イベルメクチンは日本では毛じらみに対して保険適用がありません)。
意外に身近な寄生虫感染症
毛じらみがダーモスコピーで見つかった人の例を紹介しました。
性病と思われている病気でも、性行為以外の経路で感染することはありえます。たとえば疥癬(かいせん)はヒゼンダニが皮膚に寄生して激しいかゆみを起こす病気です。ヒゼンダニは性行為以外にも衣類などを介してうつることがあります。疥癬にはイベルメクチンなどが有効です。
皮膚症状はよくある症状で、原因もさまざまです。皮膚の観察を専門的に行っている診療科は皮膚科です。心当たりなく皮膚の症状が気になったら、皮膚科で相談すると原因が見つかるかもしれません。
https://medley.life/news/59e8286ac40d0a19d9d8435b/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 2017-8-7

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました!

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました! どうぞご利用ください! 医療看護環境学の目的 …
  2. 2021-4-1

    感染症ガイドMAP

    様々な感染症情報のガイドMAPです 下記のガイドを参考に、情報をお調べください。 感染症.com…
  3. 2021-4-1

    感染症.comのご利用ガイドMAP

    一緒に問題を解決しましょう! お客様の勇気ある一歩を、感染症.comは応援致します! 当サイトを…
  4. 2022-9-1

    感染対策シニアアドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策シニアアドバイザーを2022年版に改訂しました! 感染対策の最前線で働く職員の…
  5. 2022-9-1

    感染対策アドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策アドバイザーを2022年版に改訂しました! 一般企業の職員でも基礎から学べ、実…

おすすめ記事

ページ上部へ戻る