2021/02/26【新型コロナウイルス:COVID-19】刑務所で相次ぐクラスター、受刑者の感染対策とは?

新型コロナウイルスの集団感染は、刑務所の中でも相次いでいます。日本最大の刑務所の「コロナ対策」の現場を取材しました。
およそ1800人の受刑者が収容されている日本で最大の府中刑務所。防護服を着て雑居房を確認しているのは、刑務官です。壁には、赤や黄色、青のテープが貼られ、新型コロナウイルスの危険性がある場所と安全な場所が区分けされています。これは、刑務所内でクラスターが発生した場合を想定した訓練ですが、新型コロナの第3波のさなか、全国の刑務所では実際に、次々とクラスターが発生しました。
千葉や横浜では1つの刑務所で、100人規模の集団感染が発生。これまでに全国では、受刑者と刑務官らあわせて、372人の感染が確認されています。
運動の時間、受刑者たちが壁に張られた新聞の前に集まっていました。
「刑務所の外のコロナの状況を非常に不安視しているという状況です」(府中刑務所 上地尚史調査官)
なぜ、外部との接触が極端に制限されている刑務所で集団感染が発生するのでしょうか。
「職員が感染させてしまうリスクは非常に高いと考えています」(府中刑務所 上地尚史調査官)
職員がウイルスを持ち込み、受刑者に感染を広げるリスク。府中刑務所では対策として、受刑者と接する刑務官は、マスクに加えフェイスシールドが義務づけられています。
さらに大声の号令で飛沫が飛ばないよう、受刑者に指示を出す際には普段は使わない拡声器を使用。また、仮眠室を分散させるなど職員同士の接触を減らす対策も取られています。そして、受刑者は・・・
懲役刑の刑務作業中も喚気を徹底。作っているのは、医療用のガウンです。夕食では受刑者が同じ方向を向いて食事をとります。食後の自由時間にもソーシャルディスタンスが・・・。外部の人と接する面会室では、アクリル板の穴がテープでふさがれ、電話でのやり取りのみが許されています。
「集団感染が起きた施設での問題点を洗い出している。いろいろ工夫を重ねていかなければいけないなと」(法務省矯正局 小山定明総務課長)
特殊な状況下での難しい感染対策が続きます。

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