2017/07/10【オウム病】鳥からうつる「オウム病」 妊婦2人死亡 全国で129人が感染 東京・神奈川で多い

【オウム病】鳥からうつる「オウム病」 妊婦2人死亡 全国で129人が感染 東京・神奈川で多い

空前のペットブームが続くなか、最近はインコやオウムなど観賞用の鳥に対する注目が高まっており、先行する猫カフェ人気を追うように小鳥カフェやフクロウカフェが軒並み増えている。一方で最近、妊婦2人が相次いで「オウム病」で死亡する事故があった。国立感染症研究所は10日、過去11年間に発生した患者129人のうち、東京都と神奈川県が12人ずつと、突出して多かったとして注意を呼びかけている。

オウム病とは、インコやオウム、ハトなどの糞に含まれるクラミジア菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることで感染する病気。

感染すると、発熱や咳、頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛など風邪に似た症状が現れ、深刻化すると呼吸困難や意識障害のほか、血栓が多数できて臓器障害を起こし、やがて血小板が使い果たされて出血を引き起こし(播種性血管内凝固症候群 )、診断が遅れると死亡する場合もある。

国立感染症研究所によると、2006年4月から2017年3月末までに報告があった感染者数は計129人。毎年数人から数十人の感染が報告されており、今年は妊娠中の女性2人が相次いで死亡している。

過去の感染報告を都道府県別に見ると、最も多いのは東京都と神奈川県でいずれも12人。うち神奈川県では社会福祉施設の入居者4人が集団感染している(2014年)。次いで、大阪府8人、宮城県と愛知県で7人ずつだった。

性別を見ると、男性73人、女性56人と男性がやや多く、男性が62歳を中心に50〜60代の症例が多い一方で、女性は50.5歳を中心に40代〜 60代が多かった。また発症時期では、5〜6月が目立って多かった。

感染源となった鳥の種類は、インコが56例、ハトが27例で、ペットショップ勤務の女性3人も感染していたという。

国立感染症研究所によると、妊婦の感染は、欧米でも十数例発生されていて、英国や米国では牧場の羊から感染した例も報告されているという。現時点では妊婦がオウム病に感染すると重症化するのか、死亡リスクが高まるのか因果関係については明らかではないが、抵抗力が弱まる妊娠期間は、ペットの鳥との不必要な接触は避けてほしいと注意している。

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