2018/03/17【インフルエンザ】インフルエンザ治った証明書「要」「不要」? なぜ分かれる学校の対応

【インフルエンザ】インフルエンザ治った証明書「要」「不要」? なぜ分かれる学校の対応

平成11年に統計を取り始めて以来最多の患者数を記録するなど猛威をふるうインフルエンザだが、治った子供が登校を再開するとき、学校から医療機関の「治癒証明書」を求められただろうか? 実はこの証明書、求める学校と求めない学校に対応が分かれている。

なぜなのか。

沖縄県は「意義はない」

インフルエンザによる休校や学級閉鎖が全国の学校で相次いだ2月、沖縄県は「治癒証明書の求めを控えることについて」とする協力依頼文書を、同県教育庁などにあてて出した。

インフルエンザの治癒証明書は、感染者が通学を再開する際、学校が保護者に提出を求める医療機関作成の文書だ。「完治証明書」「登校(登園)許可書」などとも呼ばれることもある。

県地域保健課の山内美幸班長(46)は「証明書の作成は、医療機関の負担になるし、証明書をもらいに病院へ行った児童生徒が別の病気にかかる懸念もある」と、証明書に「意義がない」理由を説明する。

学校保健安全法施行規則で定められた出席停止期間をきちんと守れば感染拡大を防げるという立場から、同期間中の検温結果など、家庭における経過の報告を記した文書を証明書の代わりにするよう提案した。
国も「意義はない」

証明書をめぐっては、21年に厚生労働省と文部科学省も、「証明書を取得させる意義はない」とする事務連絡を相次いで出した。新型インフルの大流行に伴う外来患者の急増に備えてのものだった。

沖縄県はこれに伴い、以後、「証明書を控えるよう」学校側に求めている。また、このときほかに愛知県、岡山県内の3市、東京都の墨田区なども、証明書に代って保護者が記入する「登校届」「許可報告書」などの導入を促した。

墨田区の須藤浩司学務課長(48)は、「証明書を求めないことで、保護者の金銭的負担も減らせる」と別の利点も話す。医療機関が作成する証明書は保険外なので、数千円かかる例もある。

法的根拠もない

そもそも治癒証明書は、何らかの法的根拠があるものではない。だが、多くの学校がインフルの治癒証明書の提出を求めている。

例えば、医療従事者向けの情報提供サイト「m3.com」の2月19日付記事によると、同サイトが会員を対象にインフルエンザの治癒証明書について尋ねたところ、今シーズンも開業医の59・0%、勤務医の32・8%が発行を求められたと回答している。

考えられる理由は、インフルが学校保健安全法で「学校において予防すべき感染症」とされていることだ。学校は予防の観点から、登校再開の際には治っていることを確認したい。また、出席停止期間も出席扱いになる。皆勤賞の継続や単位取得に関わってくるので、適切な停止期間だったのか医療機関による証明を求めたくなる。

「会社を休めないなど自己都合で、子供を十分休養させずに登校させてしまう親もいる」と指摘する学校もある。証明書の提出を防波堤とし、「(完全に治癒する前に登校してくることによる)蔓延(まんえん)を未然に防ぎたい」のが本音だ。
いずれにせよ、学校側の判断で、対応が分かれているのが現状だ。

ルールを守る

一方、医師らからは「子供が発熱した日や熱が下がりはじめた日などは、保護者からの聞き書きにならざるを得ない。実は証明書の医療的な根拠は希薄だ」という声もあがる。

m3.comの調査でも同サイト会員の医師の半数以上はインフルの治癒証明書には「感染拡大防止の意義はない」と考えている。

沖縄県の山内班長(46)は「まず、出席停止期間など感染防止のルールを守ることが大事」と話す。子供をきちんと休養させるなど、大人がルールを守る姿を見せることで感染に強い社会は作られる。(文化部 牛田久美)

家庭でできる登校日チェック 学校保健安全法施行規則によれば、登校再開できるのは「発症後5日」「解熱後2日(幼児は3日)」の両方を満たしてから。かつては「解熱後2日」だけだったが、薬の開発で解熱が早まり、体内に残ったウイルスで感染が広がる恐れが出たため、24年に「発症後5日」が加えられた。発熱翌日が1日目

http://news.livedoor.com/article/detail/14446921/

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