【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ影響 中小企業10社に1社が人員削減も

新型コロナウイルスの感染拡大が中小企業にどのような影響を与えているか調べるためNHKは大手生命保険会社「第一生命」と共同でアンケートを行いました。
およそ1万8000社に上る中小企業の声から明らかになったのは、売り上げの減少が接客業だけでなくあらゆる業種に及び、影響が続いた場合、人員削減などの対応が必要だと考える企業がおよそ10社に1社に上る厳しい現状でした。
アンケートは12月下旬までのおよそ1か月間全国の中小企業5万社余りを対象に行い、このうち36%にあたる1万8224社から有効回答を得ました。
売り上げへの影響は
この中で売り上げへの影響を聞いたところ、感染拡大前と比べて
▼「減少した」と答えた企業は68%に上りました。
▼「変わらない」は23%
▼「増加した」は9%でした。
売り上げの減少幅は
▼「3割ほど減少」がもっとも多く29%
▼「1割ほど減少」が22%でした。
一方、
▼5割以上と答えた企業も全体の16%を占め6社に1社に上りました。
中でも
▼宿泊業では5割以上減少した企業が62%
▼飲食サービス業では48%と特に多くなっています。
影響が続いた場合どのような対応が必要か
さらに今後影響が続いた場合どのような対応が必要になるか複数回答で聞いたところ、
▼「従業員を休業させる」がもっとも多く30%
▼「賃金カット」が23%
▼「非正規雇用の従業員の削減」が11%
▼「正社員の削減」と「廃業」がそれぞれ8%などとなっていて、
従業員の削減や廃業など厳しい対応を検討している企業が一定数に上ることがわかりました。
支援策の活用状況は
一方支援策の活用状況を複数回答で聞いたところ、
▼休業手当の一部を国が助成する「雇用調整助成金」を活用したと答えた企業は
▽従業員を一時的に休ませた企業で52%、
▽現在も休ませている企業でも75%にとどまり、4社に1社は活用していませんでした。
また
▼「持続化給付金」は71%
▼観光需要の喚起策「Go Toキャンペーン」は宿泊業で61%、飲食サービス業で39%でした。
支援策を活用しなかった理由は
支援策を活用しなかった企業にその理由を聞いたところ78%の企業が
▼「基準に該当しなかったから」と答えていて、
▼「手続きがよくわからなかった」(5%)
▼「手続きが煩雑だから」(4%)を大きく上回りました。
支援策のうち「持続化給付金」は月の売り上げが前の年と比べて5割以上減少している企業が対象となりますが、アンケートに答えた企業の中には「売り上げが前の年と比べて4割の減少だったため申請できなかった」といったケースもあり、支援策を活用したくても対象とならない企業が多いことがわかりました。
支援策の活用状況
▼「持続化給付金」は、月の売り上げが前の年の同じ月より50%以上減少した事業者が対象で、中小企業などは最大200万円、フリーランスを含む個人事業主は最大100万円が支給されます。
中小企業庁によりますと、今月4日までにおよそ401万件およそ5兆2000億円支給されたということです。
▼「雇用調整助成金」は、売り上げが減少しても企業が従業員を休業させるなどして雇用を維持した場合に国が休業手当などの一部を助成する制度です。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて▽1人1日あたりの助成金の上限額を8370円から1万5000円に、▽休業手当などの助成率を中小企業は最大100%に引き上げる特例措置が実施されています。
特例措置は2月末までですが、政府は延長も含めて対応を検討しています。
厚生労働省によりますと、特例措置が段階的に導入された去年2月以降今月1日までに224万8310件の申請があり、このうち217万9457件額にして2兆5323億円の支給が決定しています。
▼観光需要の喚起策「Go Toトラベル」は、旅行代金の割り引きと、観光施設や土産物店、飲食店や交通機関などで使えるクーポンを発行する形で、1泊あたり最大2万円分の補助を受けられます。
観光庁によりますと、去年11月末までで利用者は少なくとも延べ6850万人、利用された金額は4063億円に上るということです。
ただし感染の拡大を抑えるため先月28日から全国で運用が一時停止されています。
▼「Go Toイート」は、購入額の25%分のプレミアムが付く食事券と、オンライン予約によるポイント付与の2つの事業があります。
このうちポイント付与については去年11月に予算額の616億円に達したため終了していて、先月11日までで延べ7316万人が飲食店を予約したということです。
食事券は先月1日までにすべての都道府県で販売が始まりましたが、感染の拡大を受けて7日の時点で東京や大阪など23の都道府県で新規発行を一時停止しています。
「Go Toキャンペーン」は
国の支援策の1つ「Go Toキャンペーン」が売り上げの増加にほとんどつながらなかったという企業もあります。
群馬県東吾妻町に本社がある「ローズクィーン交通」は、スクールバスなどの運行のほかに個人手配の旅行やバスツアーも開催しています。
しかし感染拡大の影響で、去年4月から11月までの売り上げが前の年の同じ時期と比べて4割ほど減少しました。
中でもバスツアーなど旅行業としてはおよそ9割減と深刻な影響を受けたため、少しでも売り上げの回復につながればと去年8月、「Go Toトラベル」が始まった当初から事業者として登録しました。
そして群馬県内を訪れた旅行者向けに新たなバスツアーを企画するなどして準備を進めましたが、「Go Toトラベル」を利用した新たな旅行の依頼はこれまでに5件しかなく、以前から決まっていた旅行に割り引きを適用したものを合わせても29件にとどまっているということです。
感染拡大前は年間300件の旅行を開催していましたが、それにはほど遠い状況が続いています。
「ローズクィーン交通」の小池※やす之 社長は利用客が増えない要因について、地域の高齢者が主な顧客でインターネットで旅行の申し込みを受け付けていないことが大きいと話します。
小池社長は、「インターネットを通じて契約ができる大手旅行会社の一人勝ちの印象です。地域のお年寄りに多くの顧客を持つうちのような会社にとっては、感染の状況を考えるとGo Toは時期的に早かったと思います」と話していました。
また小池社長は、「全国にある旅行会社の末端まで行き渡るような、施策や運用方法を考えていただいた方がよかったと思います。そうでないと新型コロナによって大打撃を受けている旅行業界の中小零細も含めた仲間が生き延びられない」と話していました。
※「靖」の「月」が「円」。
中村智彦教授「働き盛りの経営者の支援を手厚く」
中小企業論が専門の神戸国際大学経済学部の中村智彦教授は「新型コロナウイルスが飲食業や宿泊業だけでなくそれに付随する地域の産業全体に非常に大きな影響を及ぼしていることがアンケートで示されている」と指摘しました。
そのうえで国の支援策について「中小企業はもともと経営者の高齢化で廃業予備群が多くあったが、それだけでなく働き盛りの経営者が続けていけなくなるのは経済の回復に大きな影響があるためこの部分の支援を手厚くしていくことを今後重点的に行うべきだ」と話しています。
そのうえで「Go Toキャンペーン」について「インターネットでの予約が必要だったり、国が補助してくれる割り引きの費用を店がいったん負担しなければならなかったりと中小企業にとっては使いづらい制度となっている。国も走りながら考えていくと繰り返し言っているが、いろいろな問題が出てきているので見直していくべきだ」と話しています。
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