【新型コロナウイルス:COVID-19】感染拡大の中国 政府対応に批判の声 習主席は主導姿勢強める /中国

新型コロナウイルスをめぐって、中国政府の初期の対応の遅れを指摘する声が出るなか、習近平国家主席は、みずから主導して対策に乗り出す姿勢を強めています。

陣頭指揮をアピール

湖北省の武漢では、去年12月以降、原因不明の肺炎患者が相次いで見つかっていましたが、地元の保健当局が初めてこの事実を公表したのは12月31日で、習近平国家主席が、情報を速やかに公開して、対策をとるよう指示を出したと公に伝えられたのは、さらに3週間近くあとの先月20日でした。

習主席は、日本の元日に当たる、旧正月の「春節」当日にも、共産党最高指導部の会議を開き対策に乗り出す姿勢を強調しましたが、具体的な対応は、李克強首相が担当する場面が多く最高指導部として初めて武漢に入ったのも李首相でした。

しかし、感染拡大が続きインターネット上などで中国政府の初期の対応の遅れを指摘する声も出るなか、今月3日、習近平指導部は、最高指導部の会議を開き、政府の対応に問題があったことを初めて認めました。

さらに、今月10日、習主席は、初めて対策の現場への視察を行いマスク姿で北京中心部の病院などを訪れて、みずから陣頭指揮をとって対策を進める姿勢をアピールしました。

今月13日には、湖北省のトップを事実上更迭して習主席の元部下で、関係が深いとされる幹部を後任に起用する人事が発表され、習主席が主導して対応に乗り出す姿勢を強めています。

一方、中国メディアは、15日、習主席が先月7日の時点で、新型コロナウイルスへの対策を指示していたことを明らかにしました。

先月7日の習主席の指示は、これまで伝えられておらず、早期に対策を指示していたと強調することで、対応の遅れについての批判をかわそうというねらいがあるとみられます。

初動の遅れ 批判相次ぐ

新型コロナウイルスの感染拡大について、中国では政府の初動の遅れによって十分な警戒が呼びかけられず、感染拡大につながったなどとして、市民から批判の声が相次いでいます。

湖北省武漢では、去年12月8日に原因不明の肺炎患者が出たことが確認されたあと、12月31日になって初めて武漢の保健当局が原因不明の肺炎について発表しました。

武漢の保健当局は、その後、先月中旬までは、ヒトからヒトへの感染が明確に確認されたことはなく感染が広がるリスクは低いなどと繰り返し強調していました。

しかし、関係者の間では、早い段階でヒトからヒトへの感染が起きているという見方が出ていたと指摘されています。

先月まで、武漢の病院で実習をしていた日本人の男性は、NHKの取材に対し、先月3日ごろの段階で医療従事者にも感染の疑いがあると知らされ、病院内では、ヒトからヒトへの感染が疑われるとして警戒が呼びかけられていたと証言しています。

こうした警戒の呼びかけは、一般の市民に伝わることがないまま感染は爆発的に広がりました。

さらに、当局が発表する前の去年12月30日の段階で、SNS上で警鐘を鳴らし「デマを流した」などとして、警察から処分されていた武漢の眼科医の李文亮氏がみずからも感染して今月7日に死亡したことを受け、市民の間では当局の対応への批判が一気に高まりました。

中国メディアの取材に対し李氏は、「健全な社会は『1種類の声』だけになるべきでない」と訴えていてインターネット上では当局による言論統制や、情報公開の在り方に対して批判的な意見が相次いでいます。

中国当局は、これを受けて哀悼の意を表し、全面的な調査を行うとしたものの、政府の対応に批判的な意見に対しては監視を強め、ネット上での書き込みの多くは削除される状況が続いています。

相次ぐ地方幹部の更迭

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な湖北省を中心に、地方政府の幹部を更迭する動きが相次いでいます。

このうち、今月13日には、湖北省トップの蒋超良書記と武漢市トップの馬国強書記の2人を交代させる人事が発表され、感染拡大の防止対策が十分ではなかったとして、更迭されたものとみられます。

また、これに先立って、今月11日にも、湖北省の保健当局のトップとナンバー2の2人が、事実上、更迭させられたほか、武漢など各地で、政府幹部の処分が伝えられています。

こうした背景には、習近平指導部として、地方政府の責任を明確にすることで、国民の不満の矛先が習近平国家主席本人や共産党の最高指導部に向かわないようにするねらいもあるとみられます。

開催危ぶまれる全人代

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中国では、年に1回、向こう1年間の重要政策などを決める、全人代=全国人民代表大会が来月、予定どおり開催できるかどうかも危ぶまれています。

全人代は、中国の経済成長率の目標を公表するなど、向こう1年間の重要政策などを決める重要会議で来月5日に北京で開催されることが決まっています。

しかし、毎年、これに先立って開かれる地方レベルの会議が、雲南省と四川省に加え、広東省・広州や山東省・青島など主要都市でも相次いで延期され、開催のめどすらたたない異例の事態になっています。

全人代には、中国全土から各省や直轄市、自治区の代表など3000人近くが出席しますが北京では、14日から北京に戻るすべての人を対象に14日間の経過観察を義務づける措置もとられており、予定どおり、開催できるかどうか、危ぶまれています。

全人代は、1998年以降、毎年3月5日に開幕することが慣例となっていて、仮に延期される事態となれば、極めて異例です。

専門家「党内外で不満高まる」

中国の情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は新型のコロナウイルスをめぐる中国政府の対応について、「インターネット上でかなり不満が高まっている。死亡した医師の李文亮さんが英雄視されているのも世の中の不満のあらわれだ」と指摘しています。

また、中国メディアが習近平国家主席が先月7日の共産党最高指導部の会議で新型コロナウイルスへの対策をみずから指示していたと伝えたことについて「普通、内輪の話は外に出さないが急に発表された。釈明のようにも見え、共産党内外で不満が高まっているようにみえる」と分析しています。

そのうえで、今後の対応について「習主席に責任があると皆が感じ始めている中で、挽回するためにメディアを通じて世論をコントールしようとするはずだ」と述べています。

一方、国の重要政策を決める全人代=全国人民代表大会が来月に予定されていることについて、「全人代では地方から代表が集まるため共産党幹部に感染が拡大するのは避けたいところで、延期も考えられる」と指摘しています。

さらに、日中両政府が4月を軸に調整を進める習主席の国賓としての日本訪問についても、「感染のピークがいつ来るかによるが、感染拡大が収まっていない段階で訪日すれば、日本、中国双方にとってマイナスだ」と述べ今後の政治日程に影響が出る可能性があるという見方を示しています。

https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20200216/k10012288091000.html

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