2022/06/30【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ“全国で増加 BA.5で感染拡大の懸念も” 専門家会合

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、新規感染者数が大都市部でおおむね増加するなど、全国で増加に転じたと指摘しました。
オミクロン株のうち、より感染が広がりやすいと指摘される「BA.5」が国内でも主流になる可能性があり、感染拡大も懸念されるとして、基本的な感染対策の徹底を求めています。
専門家会合は、現在の感染状況について、全国では増加に転じていて、大都市部ではおおむね増加し、島根県など増加速度の速い地域も見られると指摘しました。
これに伴って、療養中の人や重症者の数が緩やかな増加に転じているとしています。
新規感染者数は全ての年代で増えているほか、東京都では特に20代の若い世代で増加幅が大きく、人口あたりの感染者数が全国で最も多い状態が続く沖縄県では高齢者も増加が続いています。
そして、大都市部についての短期的な予測では、今後、感染者数の増加が見込まれるとしています。
さらに、
▽3回のワクチン接種や、これまでの感染によって得られた免疫の効果が徐々に下がっていくことや、
▽7月以降、夏休みの影響もあって、人と人との接触機会が増えること、
それに、
▽より感染が広がりやすいと指摘される、オミクロン株の「BA.5」に置き換わり、国内でも主流になる可能性があることなどから、今後、感染者数の増加も懸念されるとして、医療体制への影響も含め注視する必要があると指摘しました。
専門家会合は、感染者数の増加をできるだけ抑えるためにも、
▽ワクチンの3回目の接種を、さらに進めるとともに、
▽少しでも体調が悪ければ外出を控えること、
▽不織布マスクの正しい着用、手洗い、1つの密でも避ける
といった、基本的な感染対策を徹底することなどを呼びかけました。
また、
▽自治体では診療や検査の体制、それに、保健所の体制を点検することが必要だとしたほか、
▽介護福祉施設では対策の徹底が必要で、従業員への積極的な検査を行うほか、高齢者の重症化を予防するために、入所者への4回目のワクチン接種を進めるよう求めました。

■1週間の新規感染者数 前週比1.17倍に

厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、29日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.17倍と、減少か横ばいの傾向から増加に転じています。
首都圏の1都3県では、
▽東京都が1.37倍
▽神奈川県が1.25倍
▽千葉県が1.27倍
▽埼玉県が1.13倍と、
増加しています。
また、関西では、
▽大阪府が1.33倍
▽兵庫県が1.21倍
▽京都府が1.04倍
東海でも、
▽愛知県と岐阜県が1.21倍
▽三重県が1.29倍と、
先週までの減少、横ばい傾向から増加に転じています。
▽島根県は2.92倍
▽鳥取県は1.60倍
▽和歌山県は1.53倍
▽福岡県は1.20倍
▽人口あたりの感染者数が最も多い沖縄県も1.15倍など、
先週よりも感染者が増加したのは29の都府県に上る一方で、
▽北海道で0.85倍
▽宮城県で0.83倍
▽広島県で0.98倍など、
減少か横ばいが続いている地域もあります。
人口10万あたりの直近1週間の感染者数は、
▽沖縄県が650.09人と、全国で最も多くなっています。
次いで、
▽熊本県が226.66人
▽島根県が194.75人
▽佐賀県が186.83人
▽鹿児島県が148.40人
▽東京都が118.11人
▽大阪府が116.87人
などとなっていて、
▽全国では91.57人となっています。

■専門家「増加傾向が加速しながら続く可能性も」

厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田隆字座長は、新規感染者が全国的に増加に転じていることについて「疫学の専門家が分析したところ、特に首都圏や東京都は増加傾向が加速しながら、今後もしばらく続く可能性があるということだった。今は下げ止まりから増加に入ってきているという認識だ。要因として、ワクチンなどによる免疫が徐々に低下してきていることや、今後、夏休みに入り、接触が増えてくることがある。また、大きな要因として、新たな変異ウイルスへの置き換わりの影響が出始めているのではないかという議論があった。オミクロン株の『BA.5』への置き換わりで、今後、感染者数の増加が加速していく可能性がある」と話していました。
また、今後、必要な対策については「自治体においては医療体制や検査体制、保健所の体制を再点検する必要がある。また、ワクチンの接種について、高齢者や重症化しやすい人は、重症化予防のため4回目の接種を加速していくべきだという意見があった。さらに感染が生じた場合に備えて、治療薬へのアクセスなども十分に考えるべきだし、高齢者施設への医療の支援体制をしっかりと再点検して備える必要があるという議論があった」と話していました。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 2017-8-7

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました!

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました! どうぞご利用ください! 医療看護環境学の目的 …
  2. 2021-4-1

    感染症ガイドMAP

    様々な感染症情報のガイドMAPです 下記のガイドを参考に、情報をお調べください。 感染症.com…
  3. 2021-4-1

    感染症.comのご利用ガイドMAP

    一緒に問題を解決しましょう! お客様の勇気ある一歩を、感染症.comは応援致します! 当サイトを…
  4. 2022-9-1

    感染対策シニアアドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策シニアアドバイザーを2022年版に改訂しました! 感染対策の最前線で働く職員の…
  5. 2022-9-1

    感染対策アドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策アドバイザーを2022年版に改訂しました! 一般企業の職員でも基礎から学べ、実…

おすすめ記事

ページ上部へ戻る