2017/02/01【性感染症】気をつけて!女性が感染しやすい病気‐感染経路や予防法

【性感染症】気をつけて!女性が感染しやすい病気‐感染経路や予防法

◯性器クラミジア感染症
圧倒的に女性に多い病気で女性の感染者数も増加傾向に。感染率は男性の2倍以上。1回の性行為で感染するほど、感染力の強い病気です。にもかかわらず、感染した女性の約80%は自覚症状なし。症状が出たとしても、おりものの増加や軽い下腹部の痛み、排尿時の痛みなどです。放置すると、子宮の入口で炎症を起こし、卵管、卵巣に広がり、骨盤腹膜炎のほか、肝臓にまで広がる場合も。これを上行性感染といい、不妊症や子宮外妊娠の原因になります。

◯性器ヘルペスウイルス感染症
単純ヘルペスウイルスウイルスのおもに2型に感染したことにより、水ぶくれができる病気です。ヘルペスウイルスは一度感染すると、疲労やストレスで免疫力が低下した時に再発し、完全に体内からウイルスを除去することはできません。2型は性器を中心に下半身に水ぶくれができます。ただし、口唇や顔面に症状が出る1型でも、オーラルセックスを介して下半身に症状が出ることがあります。水ぶくれの症状が出ていない場合でも、ウイルスが性器の粘膜や、唾液、皮膚の表面に存在することがあり、相手の皮膚に傷や炎症がある場合は、感染しやすくなります。

◯膣トリコモナス症
トリコモナス原虫によって起こる感染症です。トリコモナス原虫は水分の多い環境で生きることができるため、濡れたタオルやトイレの便座、浴槽などでも感染する場合があります。女性の場合、おりものに悪臭が出て泡状で膿んだようになったり、性交痛、外陰部の痛みやかゆみなどの症状が出ます。
ただし、男性の場合はほとんどが無症状で、あっても軽い排尿痛になります。潜伏期間が6ヶ月以内と長期になるため、発見しにくい病気です。特に男性に症状が出ないので、女性側だけ治療しても、また相手からうつるという場合があり、パートナーとそろって治療する必要があります。

◯尖圭(けんせい)コンジローマ
100種類以上あるHPV(ヒトパピロマーウイルス)の中の、6型と11型に感染して起こる性感染症です。若い世代に多い病気で、性器から肛門にかけて、先の尖った、白またはピンクのイボがたくさんでき、放置するとどんどん広範囲に広がります。感染後、潜伏期間が長く、数週間~3ヶ月で発症することも。さらに、イボを外科手術で取り除いても、3ヶ月以内に25%が再発。根気よく治療が必要なやっかいな病気です。
性行為によりできた小さな傷から感染しますが、悪性の場合、女性は子宮頸がんの発生に関わると考えられています。この病気に感染していると、ほかの性感染症にもかかっている可能性が高いので検査が必須。さらに妊娠中にこの病気にかかった場合、薬物治療ができないのはもちろん、出産時に産道感染し子供にうつる可能性もあるため、注意したい病気です。

◯性器カンジダ症
カンジダは膣の常在菌のひとつ。それが、免疫力の低下により膣内の菌のバランスがくずれ、カンジダ菌が増殖して起こる病気です。発症すると、陰部に強い痛みを感じたり、カッテージチーズのような白くボロボロしたおりものがみられます。膣がヒリヒリしたりするほか、排尿痛、性交痛が起きることもあります。

◯淋菌感染症(淋病)
淋菌とよばれる細菌に感染することで起こる、性感染症。1回の性行為で感染する確率は30~50%と、感染力のとても高い病気です。女性は無症状のことが多いのですが、症状としては、おりものの増加、外陰部のかゆみ、下腹部痛や発熱、腹膜炎、頻尿、排尿痛など。オーラルセックスにより喉へ感染すると咽頭炎や結膜炎なども。産道感染で新生児に結膜炎が発症する場合もあります。淋病に感染している人の20~30%は、クラミジアを併発しているという報告も。

◯梅毒
梅毒トレポネーマという細菌に感染することによって起こる病気です。性行為やオーラルセックスなどによって、皮膚の粘膜にできた小さな傷口から感染。1回の性行為で感染する確率は15~30%と、高い感染力をもちます。
病気を持ったまま出産すると、母子感染の危険もありますが、現在では治療が可能です。梅毒に感染すると、数週間で感染部に赤く、硬い発疹ができます。その後、2~3週間で発疹はなくなりますが、約3ヶ月ほどで全身に発疹が現れるのが特徴です。早期に抗生物質で治療することにより、完治が可能です。

◯ケジラミ症
吸血性の昆虫でシラミの一種「ケジラミ」に感染するもの。性行為の際の感染がほとんどですが、接触の多い母子間や、毛布やタオルを介して間接的に感染する場合もあります。ケジラミは毛の生えているところに生息し、感染すると激しいかゆみが発生。ケジラミがいる場所の毛を全部そるのが確実ですが、難しい場合は、ケジラミ駆除薬のシャンプーやパウダーを使います。

◯B型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染することで起きる病気です。主な感染経路は、性交渉や輸血、母子感染ですが、ピアスの穴あけやタトゥー、アートメイクなどによっても感染します。感染すると、倦怠感、食欲不振、関節痛、赤褐色の尿、微熱、黄疸などの症状が表れます。ただ、症状が出る人は感染者の3割。症状が出ないまま自然に治る人や、反対に慢性肝炎に移行し、肝硬変や肝がんになる人もいます。不用意な感染を防ぐために、ピアスの穴あけやアートメイクは医療機関で行うようにしましょう。

◯HIV感染症
HIVウイルスに感染することで起こる病気です。性行為や輸血により感染。ウイルスが発症するまで、潜伏期間が数年から10数年と非常に長いため、気付くまでに時間がかかります。このウイルスに感染すると、体の免疫システムが崩壊し、徐々に免疫力が弱っていき、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。風邪のような症状があらわれますが、自覚症状がない人がほとんど。完治させる治療法はありませんが、早期に発見することで、エイズの発症を抑えることができるようになっています。適切な処置を早期に受ければ、妊娠出産も可能です。
http://www.excite.co.jp/…/net_clm/20170131/Goorank_4078.html

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