2018/03/26【人獣共通感染症】人獣共通感染症

【人獣共通感染症】人獣共通感染症

毎日たくさんの野生動物の治療をしているカランビン・ワイルドライフ・ホスピタルのスタッフですが、どんなに動物の扱いに慣れていても、噛まれたり引っかかれたりしてけがをしてしまうことがあります。

動物の種類や気性によって、保定(動物を治療する際に、動かないように抑えておくこと)の仕方や使う道具を変えるなど十分な注意をして行うため、けがのほとんどは軽く済みますが、やはり気を付けなくてはならないのが人獣共通感染症です。

これは動物から人間に、または人間から動物に感染する可能性がある病気の総称で、例えば白癬(はくせん)などに感染したペットの犬や猫から飼い主に病気がうつってしまう可能性があります。

私たちが最も注意しているのがコウモリから感染する可能性があるリッサ・ウイルスです。狂犬病に似たウイルスで、人間が感染してしまうと死に至ります。コウモリの治療は狂犬病の予防接種を受けているスタッフのみが、厚手の手袋をし、コウモリに麻酔をかけてから行います。

鳥から感染することがあるオウム病も、免疫力が低い人が感染した場合はとても危険です。症状が風邪によく似ているため、オウム病と気付かないうちに悪化して肺炎に掛かることもあります。

他にも、爬虫類(はちゅうるい)が持つサルモネラ菌、家畜から感染する「Q熱」など、数え切れません。

これら人獣共通感染症は、その動物に病気の症状が表れていなくても感染する可能性があるため、日ごろから予防策を取らなければなりません。

必要以上に野生動物に触らないこと、キスなどをしないこと、そして触った後は必ず手を洗うことです。私たち病院スタッフは1日に何十回も手を洗っています。

野生でもペットでも、動物から人間に感染する病気があるということを覚えておき、動物と触れ合った後に体調を崩した場合は医師にその旨を伝え、治療を受けてくださいね。

nichigopress.jp/live/oz_wildlife/161149/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 2017-8-7

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました!

    学術雑誌「医療看護環境学」を創刊致しました! どうぞご利用ください! 医療看護環境学の目的 …
  2. 2021-4-1

    感染症ガイドMAP

    様々な感染症情報のガイドMAPです 下記のガイドを参考に、情報をお調べください。 感染症.com…
  3. 2021-4-1

    感染症.comのご利用ガイドMAP

    一緒に問題を解決しましょう! お客様の勇気ある一歩を、感染症.comは応援致します! 当サイトを…
  4. 2022-9-1

    感染対策シニアアドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策シニアアドバイザーを2022年版に改訂しました! 感染対策の最前線で働く職員の…
  5. 2022-9-1

    感染対策アドバイザー2022年改訂版のお知らせ

    感染対策アドバイザーを2022年版に改訂しました! 一般企業の職員でも基礎から学べ、実…

おすすめ記事

ページ上部へ戻る