【ピロリ菌】ピロリ菌備え 中学から検査 自治体に導入広がる 将来の医療費抑制も期待

【ピロリ菌】ピロリ菌備え 中学から検査 自治体に導入広がる 将来の医療費抑制も期待

胃がんになるリスクが高まるとされる「ピロリ菌」を早いうちに除去しようと、中学生を対象に感染検査を導入する自治体が増えてきた。ピロリ菌がもたらす悪影響に注目が集まり、国際機関や医師らが検査を推奨。自治体の費用負担は軽く、「将来的に地域の医療費を抑制したい」との狙いもある。

「早めに分かってよかった」。学校を通じた検査でピロリ菌の感染が分かり今年、抗生剤治療を受けた兵庫県篠山市の男子中学生(15)の母は胸をなで下ろす。

同市は2014年度から中学1年生の希望者を対象に、健康診断の尿検査を利用してピロリ菌の感染検査をしている。費用は市が負担。これまでに複数の生徒が陽性と判定された。

市が検査を始めたきっかけは、兵庫医科大ささやま医療センター(同市)が12年に実施した研究だ。同意が得られた市内の中学生への検査で、約4%の生徒に陽性反応が出た。13年度に市が保護者にアンケートしたところ、ピロリ菌の感染検査を「希望する」との回答が9割以上に上った。

14年度から約150万円の予算を確保し、これまでに約千人の生徒が受けた。陽性だった場合の除去費用も市が助成する。市担当者は「将来の胃がんリスクを減らせると考えた。保護者や生徒のがん予防意識も高まる」と話す。検査に協力する兵庫医科大非常勤講師の奥田真珠美医師は「中学生の段階でピロリ菌を除去できれば、がん予防の効果は高い」と指摘する。

ピロリ菌は近年の研究で胃がんとの関連が指摘されている。世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関は14年「胃がん対策ではピロリ菌除去に重点を置くべきだ」と発表した。国内の専門学会も16年に改定したピロリ菌感染の予防や治療に向けた指針で、中高生ら若い年齢層での検査が「特に重要」と指摘している。

感染検査は尿検査などでスクリーニングを行い、疑いのある人には呼気を用いた検査を行ったり、便中の抗体を調べたりするのが一般的な流れ。感染が判明すれば、薬を飲んで除菌する。スクリーニング費用は数百円から千円程度で済む。

大阪府高槻市も14年度から中学2年生の希望者に感染検査をしている。高槻市保健所の森定一稔所長は「検査は手軽で費用も安い。がんのリスクを減らすことで、将来の医療費の抑制も期待できる」と話す。

県全体で取り組むのは佐賀県。16年度に佐賀大に「事業センター」を設置した。県内の中学3年生約9千人の検査費用や運営費のため、約3千万円の予算を確保している。県健康増進課の担当者は「財政状況は厳しいが、なんとか捻出できる金額。子供たちのために続けていきたい」としている。

▼ピロリ菌 胃がんリスク高める
正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれ、1983年に発見。その後の研究で慢性胃炎や胃潰瘍などの原因になっていることが分かった。胃がんの99%はピロリ菌感染の影響があるとする研究結果も出ている。
日本では50歳以上の半数以上が感染しているとされ、感染者は約6千万人に上るとの見方もある。感染の原因ははっきりと分かっていないが、衛生状態が悪い途上国で飲料水からの感染が報告されているほか、親が保菌していると子供の感染率が高いことから、食べ物の「口移し」などで感染すると考えられている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC31H6H_08082017AC1000/

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