【インフルエンザ】インフル集団感染問題 制度上の課題次々浮き彫り

7人が亡くなった兵庫県淡路市の養護老人ホーム「北淡荘」のインフルエンザ集団感染問題は、死亡リスクが高い高齢者・介護施設での感染を巡り、治療薬の予防投与を巡る指針や公表基準のあいまいさなど、制度上のさまざまな課題を浮き彫りにした。(篠原拓真、前川茂之)

今回最も大きく注目されたのが、治療薬の予防投与を巡る対応だ。

11日に集団感染の連絡を受けて立ち入り調査に入った県洲本健康福祉事務所の担当者は、施設に対し「抗インフル薬の投与検討を」と助言。担当者は職員だけでなく、未発症の入所者への投与も検討するよう指導したつもりだったとする。

ところが、施設側は「感染源となり得る職員のみへの投与」と受け取り、18日の再指導まで入所者には投与しなかった。

双方が認識のずれに1週間以上気付かなかった背景には、予防投薬の基準のあいまいさがある。

国は感染予防の手引で「早期の抗ウイルス薬予防投薬なども考慮されうる」と記載。厚生労働省の担当者は「リスク評価をして施設に判断してほしい。薬の副作用の問題や保険適用されないこともあり、強制はできない」と話す。

投薬の費用が施設や高齢者の全額負担となっている点も、同省や県は保険適用や補助には否定的だ。

厚労省の通知では、施設で10人以上の感染か2人以上の死者が出た場合などに、各保健所への報告を求めている。

一方で、県洲本健康福祉事務所が集団感染を公表したのは、11日の通報から10日後の21日。すでに感染者は74人にまで拡大し、7人目の死者が出た後だった。

施設内での集団感染の公表基準について、県疾病対策課は「感染が複数施設にまたがる恐れがある場合」とし、1施設単独の場合は現地の判断に任せている。同事務所は「今回は発症者や死亡者数が大規模になり、周辺施設や地域住民への注意喚起の意味を込めて公表を決めた」と説明する。

ただ、1施設単独の場合も公表基準を定める自治体はある。岐阜県は社会福祉施設の集団感染時の公表基準として、感染症の患者か、それによると疑われる死亡者または重篤患者が1週間以内に2人以上発生▽感染症患者などが10人以上発生し、関係するとみられる死亡者か重篤患者が1人発生-などと規定。同県の担当者は「地域に与える影響が大きければ、基準に当てはまらなくても公表を検討する」と話す。

県洲本健康福祉事務所は今回の問題を受け、「1施設単独の感染についても、基準を検討すべきではないかと県疾病対策課に意見を上げた」とした。

https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201901/0012021568.shtml

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